お母さん大学は、“孤育て”をなくし、お母さんの笑顔をつなげています

新連載 OSANDOKORO(お産処)赤ちゃんを信じて待つということ 

長女の出産ではどこか心残りがあった。

そんなとき友人が吉崎助産院で出産したと聞いて、訪ねてみた。

迎えてくれたのは吉崎房子さん。ここには産婦人科にあるような立派な機器はない、病院よりは小さめのエコー。

でも、じっくりと時間をかけて「ほら、ここが心臓よ」と丁寧に見てくれ、「生まれてくる赤ちゃんがとてもかわいい」と、命の愛おしさを語った房子さん。その人柄にふれ、絶対にこの場所で産みたいと思った。

陣痛が来たのは予定日の9日後のこと。

1週間経っても何もなく不安になって泣き言を言う私に「産む覚悟はあるの? そんなに信頼がないならほかで産んでもよかよ」とピシャリ。

その後「言いすぎてごめんね。でも赤ちゃんは、自分が下りてきたいと思ったときにちゃんと下りてくるよ」と房子さん。

赤ちゃんとの信頼関係、そのときをちゃんと待つことを教わった。

陣痛の波が来るたび房子さんが腰をさすり、声をかけてくれると、痛みが波のように逃せた。

周囲の励ましと、全力でのぞむ房子さんの助けがあって、次女は無事に生まれてきた。

泣き声を聞いたときは、全身になんとも言えない、じわっとくるものがあった。

ここでは産後1週間入院する。赤ちゃんと産婦さんの状態や変化を見逃したくないからだそう。

手づくりの食事も本当に美味しい。お部屋をのぞいては苦労話や思い出話を聞かせてくれて、一時おしゃべりが弾む。

人として一つの命に最初から最後まで向き合ってくれる助産師さん、房子さんに出会えて本当によかった。

産婦・江崎香保里

 

 

 

吉崎助産院(久留米市城島町西青木576-1)