母はいわゆる「勘のいい人」で、何も言わなくても、すべてをお見通しでした。小さい頃は悪いことをして、箒でよく叩かれたりもしましたが、中学生にもなると余計なことを言われなくなり、進学も就職もやりたいようにさせてくれました。
病気や転職など私が大きな壁にぶつかったときには、手紙をくれました。あなたが生まれたときは本当にかわいくて…と、そこには思い出が綴られ、この上なくあたたかい気持ちになったものです。
テーブルフットボールの活動を始めたときも、「お楽しみがあっていいわね」と、私には十分すぎる一言を。なんと表現したらいいのかわかりませんが、言葉以上の愛情をもらったというか…。そんな母でした。
テーブルフットボールとは、サッカー選手のフィギュアが乗った直径2cmのおはじきを指ではじき、同じく2cmのボールに当ててサッカーをするというちょっと変わったゲーム。世界に500万人以上の愛好家がいて、ワールドカップも開催されています。
私は、「目指せワールドカップ!」と日本中で公言し、15年間たくさんの人に教え続けています。中でも、子どもたち一人ひとりに向き合う際には、母から受け継いだ愛情が自分の源になっていることを実感しています。
(一社)日本テーブルフットボール協会
会長 鴻井(こうい)建三
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