お母さん大学は、“孤育て”をなくし、お母さんの笑顔をつなげています

心で感じるものと目に見えないもの

分娩台に上がる経験を2回しました。痛い時に仰向けで足を固定されるのが単純に辛くて、うずくまりたいと思いました。

3人目は、2人の子どもを見ていてもらう人がいないと困ること、いつ出産になるかわからないので付き添いができるところを大事にしたく、助産院を選びました。子どもにもパパにも生まれる瞬間を見てほしい、同じ空間にいてほしいと思いました。

私は看護師で知識や経験がありましたので、自身である程度の判断はできます。上の2人は安産で、助産院で産む基準はクリアしていたし、助産院も信頼していました。

ところが29週目に切迫早産で入院。救急車で病院に運ばれる際、齋藤助産院の助産師さんが付き添ってくれ、「大丈夫、退院して経過が良ければ助産院で産めるよ」と励ましてもらいました。

さすがに不安になりましたが、「大丈夫だよ」と言われ、「がんばろう」と思えました。システムではなく、人として関わっているからこそ出てくる人間の温度を感じる言葉。それが病院にはないものだと思います。

出産当日。齋藤弓子先生が「赤ちゃんが左に寄っている」と言うので右横向きに寝て陣痛を逃していたら、赤ちゃんが真ん中に戻って出産が進みました。これには驚きました。促進剤に頼るでもなく、助産師の技術を目の当たりにしたのです。

齋藤先生がつきっきりでいてくれて、陣痛がくるたびにさすってくれたり呼吸法を指導してくれたり、赤ちゃんが今どういう状態かなどイメージしやすいようにと声をかけてくれました。

1人で耐えるクリニックとは全く違い、そういう時に心で感じる目に見えないものが真髄だと思いました。

産婦・黒木明子

齋藤助産院(茅ヶ崎市芹沢1004-10)