お母さん大学は、“孤育て”をなくし、お母さんの笑顔をつなげています

活動の根っこにある 朗読する母の姿

「なぜボランティアをするのですか?」これまでに、何度尋ねられたことでしょう。

ーーデビューは、報道情報番組の司会でした。その時のディレクターの一人が、
「報道と政治は困った人のためにある」と、教えてくれたのです。メディアの力に感激した私は、「私を活用できるかも!」と思ったことがベースにあります。やがて「私自身が生きづらいから」と気づくのですが、まずは自分のため、という思いで活動を続けています。ーー

これが、いつもの私の答えです。

ですが最近、ハッと思い出したのです。私の根っこにあるのは、母の活動だったのかも、と。

私と妹がまだ幼かった頃、母は視覚障がい者向けの本の、朗読録音というボランティアをやっていました。

母が、カセットテープレコーダーのRecボタンをカチッと押すと、私たちは音を立てないようにじっと過ごします。朗読をする母は、カサッという音を出さないよう、慎重に頁をめくりながら読み進めます。それはなかなかの緊張タイムでした。

今さらですが、今度、母に聞いてみようと思います。

「なぜあの活動をしていたの?」と。

当時は子どもながらに、「大人だから当たり前」漠然とそう思っていたのでしょう。

母ヒデコ85歳。私たちが知らなかった母に、出会えそうです。

俳 優
一般社団法人Get in touch代表
東 ちづる