香椎宮は、仲哀天皇と神功皇后をお祀りする、創建1300年の神社。10年に一度、天皇により勅使が遣わされ勅祭を行う、全国に16社ある勅祭社の一社です。
国家安寧や世界平和の神をお祀りし、誰一人として取り残さず、大切な方を想い祈る場所。人々がお互いを大切に想い一つになれる世界を願います。また、境内に立つ2色ののぼりは夫婦を表し、「夫婦の宮」とも称されています。
格式高い神社でありながら常に境内は、遠足の園児やジョギングする人、散歩がてらに茶屋で甘酒を楽しむ人などで賑わい、地域に開かれた神社としての面も持ち合わせています。
4月の「神幸式祭事」には7歳の息子も稚児姿で参加しました。化粧を施す妻は楽しそう。彼の衣装が着崩れて困ったのは一般の親ごさんと同じ。父、さらに宮中の人間として、皆様と助け合う場面もありました。
本宮での獅子楽奉納を含め御神輿と共におよそ80人の〝お稚児さん〟が約1㎞を練り歩き、参道で見守る方々と共に神様を身近に感じた2日間。歴史的・文化的にも特別な稚児体験を通し、改めて、親として労を惜しまず、参加することの意義を実感しました。
そのほか、鶏と子どもの神様を祀る鶏石神社では、毎年秋に「あおぞらたまご市」を行っています。子どもたちから守り神へ、日々の感謝を伝え、成長を感謝するお祭りです。
夫婦の宮は愛に満ちた祈りの場。子どもたちをあたたかく見守る身近な神社の存在は、子どもを想うお母さんの気持ちと同じです。悲観主義は感情によって生まれ、楽観主義は意志によって生まれると聞きます。
一父親として言えるのは、「お母さんたちが、母を、子育てを全うしようとして、
時にどれだけ懸命に幸福だと意志しようとしているのか…お父さんたちもその苦労を、少しはわかっていますから」というところでしょう。
(取材/薄祥子)
コメントを残す
コメントを投稿するにはログインしてください。