お母さん大学は、“孤育て”をなくし、お母さんの笑顔をつなげています

子どもを見守る 挙母神社 を訪ねて

愛知県豊田市挙母町5-1

豊田市の中心部ながら、境内に入ると御神木の大楠の存在感も相まって一気に厳かな空気に包まれます。

挙母神社は、薬師如来様が火災の折に難を避けられた場所。薬師如来様の由来となる八日市を開催するなど、日本ならではの価値観を大切にしています。

例祭「挙母祭り」では、神輿殿に美しい神輿が置かれ、拝殿では厳粛な神楽や祈祷、地域の子どもたちによる美しい巫女舞が披露されます。愛知県の有形民俗文化財、豊田市の指定文化財に指定される八輌の山車が、紙吹雪とともに曳き回される姿は圧巻。そろって挙母神社に奉納される姿は壮観な風景です。

またご祭神・高皇産靈神をはじめ5柱を祀り、「子守大明神」と称され、別名「子守の宮」、子どもの成長の守り神として「おこもりさん」と呼ばれています。境内の狛犬も子守りにちなみ子守(子だき)狛犬として親しまれています。いつの世にも変わらぬ親心で参拝者が絶えません。

太陽や月、風など世の中に存在するすべての物に神が宿ると考える神道。七五三詣りでは神様に「ありがとうございます。これからも大きくなれるように見守ってください」とお参りを。お参りをした後、「家に帰ったらいつも身近で守ってくれている家族の人にもありがとうと言ってね」と子どもに伝えることで、感謝の気持ちが育ちます。

安産祈願や初宮詣りでは、妊娠・出産・育児という未知の世界に踏み込んだお母さんたちにとって、常に見守ってくれる神様は心強い存在です。

3月には小学校入学を控えた地域の子どもたちを招き、元気に通学できるよう交通安全を祈願する「歓学祭」を、七五三の時期には児童養護施設の子どもを招いて祈祷を行っています。

大人と同じように、子どもたちにも合う合わないがあって当然。そんな時に自分と合う人に出会い、家庭や学校以外にも安心して心を開ける場があることが大切で、神社もその一つになるのではないでしょうか。
(取材/山本有希)