ベトナム在住歴20年になる弟のアテンドで、少数民族が暮らす村へ。久しぶりに父母と妹と5人で旅をしました。村までのガイドをしてくれた、少数民族の一つザイ族のhop(ホープ)さんに話を聞きました。(MJ・池田彩)
福岡空港からハノイまで飛行機で4時間。ハノイから寝台列車で8時間。向かった先は中国の国境近くラオカイ省サパ郡という標高1600mの山岳地帯。
さらにそこからトレッキングで4時間をかけて、少数民族が暮らすタヴァン村へ。到着したタヴァン村はとにかく棚田が美しく、
約1000人の少数民族がベトナム語とも異なる独自の言語と文化を持ち、農業と観光で生計を立てています。
村ではほぼ全員が自宅で出産し、母乳で育てています。
3か月頃からは、離乳食としておかゆを食べさせ始めます。
産む直前まで働き、産後も1か月くらいから働くため、
お母さんは赤ちゃんをおんぶしながら、家事に育児に大忙しです。
おんぶでバイクは当たり前
幼稚園の入園は2歳、小学校入学は6歳からですべて無償。
7時半に始まり、午前は11時半まで。
近くの子はお昼ごはんを食べに一旦家に帰り、午後は13時半~16時まで。
幼稚園のお迎えの時間には、たくさんの保護者が門の前に待機。
16時ちょうどになると一斉に園内に。
うれしそうに駆け寄ってくる子どもを2人、3人と
バイクに乗せて帰る様子は圧巻です。
送迎するお父さんたち
幼稚園に通う娘のお迎えは、小学生のお兄ちゃんの役目。
学校帰りに幼稚園へ寄って一緒に歩いて帰宅。
駄菓子屋でおやつを買い食いするのも楽しみなのだとか。
ホープさんの息子(10歳)と娘(5歳) 小学校の隣にある駄菓子屋
山岳地なので雪も降りますが、貧しくて一年中スリッパで
生活をしている子どももいるそうです。
ホープさんはサパの高校を卒業後、
ラオカイの短大で英語を勉強し、25歳で結婚。
でも村には高校がないため、進学をしない人がとても多いとのこと。
実際、14歳で店番をしている子や、
8歳くらいの子が赤ちゃんをおんぶする姿など、
働く子どもを多く目にして驚きました。
18歳で結婚し夫の家に入るケースがほとんどと、
男性中心の社会が根強く残っています。
それでも「親族が近いのは民族で暮らす利点の一つ」とホープさん。
幼稚園が休みで自分が仕事の時には
両親が子どもの面倒を見てくれます。
わが子の様子に目を細め
「So cute、子どもたちには広い世界を見せてあげたい」と、
話していたのが印象的でした。
*取材を終えて*
昔ながらの民家の横に突如現れる観光客用のおしゃれな宿泊施設。
泥だらけのHONDAのバイクに子どもを
何人も乗せて坂道を行くお母さん。
歩きながら糸を紡ぐ女性とスマホ…。
昔と今が混在するアンバランスさが不思議な魅力の国、ベトナム。
でも、子どもの笑顔を願う母ゴコロは同じ。
本当の豊かさとは?生きる力とは?
タヴァン村のお母さんから、たくさんのヒントをもらった旅でした。
左から、私、母、父、弟、妹
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