お母さん大学は、“孤育て”をなくし、お母さんの笑顔をつなげています

前略 池田 彩様

はじめての子育てに悶々としていた時、「お母さんはスゴイ!」と書いた、私のコラムに出会ってくれた池田さん。あの日から、あなたのお母さん大学の活動が始まりました。あれから14年、あっという間でしたね。

何も教えないお母さん大学、いや、私。けれどあなたは、「お母さんがペンを持つと笑顔になる」という言葉だけを信じて、今日までひたすら走り続けました。

この間、子どもが不登校になったり反抗したりと、いろいろなことがありました。子どもや家族に何かあると、たちまちお母さんは挫折します。でもそんな時も、あなたはペンを持つことをやめなかった。むしろあなたは、その都度わが子と向き合い、悩みながら、時には地域の人に助けてもらって、少しずつ母力を上げていきました。

お母さん大学は、一人ひとりのお母さんの心の中にある学び舎だと、自ら実証してくれました。母として成長していくあなたの姿は、本当に美しい。あなたの母歴が、子育ての未来をつくるのだと確信しています。

お母さん大学の活動を伝えることは、容易ではありません。悩んだあなたは、ある日息子に尋ねました。「お母さんはスゴイ!と伝えるには、どうしたらいいと思う?」。すると息子は答えました。「世界中の子どもたちを味方にしたらいいよ」。こんな母と子の会話がどこにあるでしょう。あの時私は、あなたとあなたの息子が、空に大きな虹を描いてくれたように思えました。

『ちっご版』の発行は経済的にも大変で、挫折しそうな時もありました。悩んだあなたと2人西鉄久留米駅で、寒さに凍えながら立ち話したことを思い出します。

もう無理かな、無理させたらダメかな?と思いながら、帰路につきました。でも数日後、あなたは何もなかったように笑顔で新聞を配っていました。心配だけさせて!と腹も立ったけど、ホッとしたことを思い出します。

そんなあなたが、私の故郷でもある久留米で法人化し、一歩踏み出します。「私の言うことあまり聞かんけん、心配なのでしばらくは傍にいるけど、そのうち私を支えるくらい力をつけてください。あなたならできる!」。

お母さんが笑顔になる社会は、私たちだけでは実現できません。一番の仲間はお母さんたち。一人ひとりがわが子を見てペンを持てば、本当に何が大切か、何が必要かが見えてきます。子どもは生きる未来だからです。

今もあなたは、地域の方々、企業や行政の皆さんに迷惑をかけたり、助けてもらったりしていると思います。だからこそ、これからも新聞を大切につくり続けていくことが、皆さんへのお返しだと思います。

12月14日、久留米でお会いしましょう。

草々

藤本裕子

1件のコメント

心にじーんと泣きそうになりました。
14年の重み。
素晴らしいです。
出会ってからのあやちゃんとのことが走馬灯のように…
とにかく今までの集大成。
当日たくさんの方に来ていただきたく、集客中です。
当日行けなくて残念ですが、
みんなのレポート楽しみにしています!

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