白鬚神社は近江最古の大社で御創建が2000年以上も前になります。御祭神の猿田彦命が天孫降臨の際に道案内をされたことや、猿田彦様が白髪で白い鬚を蓄えたお姿であることから、導き・道開きの神、そして延命長寿の神としても知られ、地元の方からも「しらひげさん」「明神さん」と親しみをもって信仰されています。また、全国に300社余りある御分霊社の総本宮でもあります。
古来より風光明媚な場所として知られ、境内には松尾芭蕉の句碑や与謝野鉄幹・与謝野晶子の歌碑、NHK大河ドラマ「光る君へ」に登場する紫式部が詠んだ「三尾の海に 網引く民のてまもなく 立居につけて 都恋しも」の歌碑もあります。
白鬚神社は朱塗りの「湖中大鳥居」が有名で、日の出、夕焼け以外にもキラキラ光る湖面に照らされる中で忽然かつ堂々とそびえ立つ鳥居に見惚れる方も多いのではないでしょうか。
2015年に「琵琶湖とその水辺景観」が日本遺産に認定され「湖中大鳥居」も遺産を構成する一つとして、映えスポットとしても国内外にあまねく知られることになり、近年白鬚神社を訪れる人も増えました。
しかし、危険な国道横断やマナーを守らない危険行為が多発したため、神社でも参拝される皆様の安全を考え展望台の設置等対策に追われました。
例年9月5・6日に白鬚祭り(秋季大祭)を斎行。「なる子まいり」とは数え年2歳のお子さんに戸籍とは違う名(賜名)を授け、その名で3日間呼ぶことにより健やかな成育と延命長寿の御加護がいただけるという神事です。江戸時代の「諸国御祭礼番付」にも記載される、歴史ある特殊神事です。
どんな名を授かるかワクワクされている親ご様とキョトンとされているお子たちのかわいい姿を見るたび、子育ての一部に関わる喜びと、人生儀礼の一つとして貴重な神事を続ける意義を実感します。日本の未来を育てているお母様方には誇りを持ってがんばってほしいと応援しております。
(取材・宇賀佐智子)
宮司 髙橋敬一さん
白鬚神社(滋賀県高島市鵜川215)
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