「大きな地震が来たら待たないで自分で逃げて・そうすれば、また会えるから」。
これは、東日本大震災で高校生の息子さんを津波で亡くされた男性の言葉です。この言葉は、40年以上防災に関わっている私の胸に重く、深く刺さり、子どもたちへの防災教育の想いをより強いものにしました。
地震が発生した時、家族は別々の場所にいて、亡くなられた息子さんは自宅にいたそうです。男性は息子さんに「津波警報が出ているから逃げろ」と連絡した後、「今、そっちに向かっているから」とメールを送りました。
メールを見た息子さんは、お母さんと逃げようと(母を待って)家に留まったのでしょう。その方は自分を責め続けたそうです。もう息子は戻ってこない、でも二度とこうしたことが起きないよう、このことを伝えるために語り部として活動を続けられています。
家族が一緒にいる時に災害に遭遇するとは限りません。また、その時にいる場所が必ずしも安全だとも言い切れないのです。
防災対策として水や食料を備蓄する、これも大切な備えです。でも一番大切なことは、子どもも大人も、災害から生き残る力をしっかりと身につけていくことではないでしょうか。
助けたくても助けられない時に、子どもたちが「自分の力で災害から生き残る」ために。
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