お味噌と笑顔をつくります Doみそくらぶから「楽しみそ」へ
Q:「Doみそくらぶ」とは?
子どもが小さい頃、私自身が伝えられる得意料理は何だろう?と探し続け、
辿り着いたのが「味噌」でした。
子どもと一緒に楽しめる味噌づくり、しかも仕込みは年に一度という手軽さです。
子育てをしながら仕事をしていた私にとって、味噌づくりが、
子どもと過ごすいい時間になったことも一石二鳥でした。
味噌は日本の伝統的発酵食。味噌のつくり方を伝 えることが、
日本文化の継承になり、結果として、子どもたちの食育につながりました。
そんなことで、味噌づくりにすっかりハマってしまった私。
より多くの人に味噌の良さを知ってほしいと、
1997年ボランティア団体として「Doみそ くらぶ」を発足。
今年で21年目を迎えます。
「楽しみそ」(事業)として、楽しみながら味噌づくりをする活動を続けています。
Q:活動内容は?
「誰でも、簡単、楽しいみそづくり教室」をモットー に、
保育園や幼稚園、小・中学校~大学、児童養護施設、特別支援学校、
児童クラブ、子育て支援 センターやサークルなど、
さまざまなところで味噌 づくり講座を開催しています。
ビニール袋に大豆・米麹・塩を入れて、手でもむだけの簡単な体験から、
5~10キロも仕込む本格味噌づくりまで。
2013年からは、自宅を拠点に味噌づくり教室を開催。
完全予約制で1人でも味噌づくりを教えてい ます。
親子の味噌づくり講座では、ビニール袋に入れた大豆を足で踏み潰したり、
味噌団子を容器に投げ入れたり…。
子どもと一緒に楽しめる内容となってい ます。
お母さんたちには、子どもと一緒に、おにぎり持参で参加してもらいます。
味噌汁とおにぎりのランチタイムは、ママトークに花が咲き、
それもまたお 楽しみタイムになっています。
さらに年に1回、年間報告を兼ねて「Doみそ新聞」を制作・発行しています。
味噌づくりを通して出会えたたくさんの人たち、さまざまな出来事を思い返す作業として、
新聞づくりも楽しんでいます。
出来上がった新聞は、味噌づくり講座に参加して くれた方々にお配りしています。
Q:なぜ今、味噌づくりなのか?
味噌づくりを広める一番の理由は、子どもの原風景に
「味噌」や「楽しい味噌づくり」を残していき たいという思いからです。
私たちは、お母さんになってはじめて、ここまで長く愛されている味噌の偉大さを感じ、
味噌づくり の良さ、楽しさを理解できるのだと思います。
親と一緒に味噌をつくった記憶がある子どもたち が、将来親になったとき、
味噌の偉大さをさらに深く感じると同時に、親(お母さん)のことを思い出す
きっかけになると思うのです。
味噌づくりを通して、そんな「心のふるさと」を残すことが、
自分にできることだと考えています。
味噌がスゴイのは、日本文化や健康を考えるきっかけになりえるということ。
味噌づくりを通して、 そんなきっかけづくりの種まきができたらいいなと 思っています。
Q:今後の活動について
もっともっとたくさんの皆さんに「楽しい味噌づくり」を伝えたいです。
これは「Doみそくらぶ」 発足時から変わらない思いですが、皆さんと一緒に
「簡単、楽しい、おいしい発酵ライフ」を追求していきたいという思いは、より強まっています。
味噌を食べる人がどんどん減っている現代。
日本の食文化も随分変わってきています。
味噌の美味しさはもちろん、味噌づくりはとても楽しいことだと伝えることが大事で、
それは食の再建にもなることだと考えています。
本当にもったいないと思うのは、 「味噌づくりは大変」というイメージだけで、
つくらないでいる人があまりに多いこと。
私にできるのは、いつでも誰でも、気軽に参加できる環境をつくること。
味噌づくり教室に来たら、 なぜか楽しくて笑顔になれちゃう…。
そんな拠点を目指して、これからも自宅から、地域から、
がんばって発信し続けていきたいと思います。
<取材後記>
実は、みその先生にはじめてお会いしたのは、 5年前。
第一印象は「なんて元気な人なんだろう!」。
それが数年経った今も、変わらないどころか、
何倍もにパワーアップしているのは、まさに味噌力ゆえなのでしょうか?
いつもパワフルで、お会いすると一瞬でこちらが元気をもらえます。
きっと、各家庭で、お母さんが味噌をつくっていた時代は、
味噌づくりだけではなく、生き方すべてが、母から子へ、子から孫へと
伝承されてい たのでしょう。
そんな「お母さん」のパワーを、 みその先生から感じました。
元気とパワーがもら える「楽しみそ」、おすすめです! (杉本真美)
(静岡版Vol.32 2018年6月号掲載)
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