お母さん大学×企業×自治体
「百万母力協働プロジェクト」久留米説明会 開催報告
新聞をツールに
お母さんの笑顔をつなぐ
~SDGs のカギを握るお母さん~
昨年12 月4 日、筑邦銀行本店(久留米市)に36 人を集め、お母さんの笑顔をつなぐ「百万母力協働プロジェクト」企業向け説明会を開催。
地元のお母さん記者たちも参加し、あたたかくも力強い母の空気いっぱいの会となった。
8年間の思いをカタチに
お母さん向けの講演会は何度も開催してきたが、企業を対象にするのは初めてで、誰にどうお声がけしたらよいのかもわからず、最初は不安だった。
しかし「ちっご版」創刊時から応援してくれている方が担当部署に声をかけたり、別の企業を紹介してくれたりと動いてくれた。
また当日は、ちっご(福岡・佐賀)のお母さん記者が早朝から駆けつけ、準備にあたってくれた。
このような経緯もあり、開会時には感無量になってしまった私。
8年前、孤育てから逃げ出したかった私が、お母さん業界新聞と出会い「お母さんはスゴイ」と思えるようになった。
同じように悩んでいるお母さんたちに新聞を届けようと勇気を振り絞り公園でお母さんたちに声をかけ
た種が、無我夢中で企業にアタックした思いの種が、今日につながっていること、これまで出会ったすべての方への感謝で胸がいっぱいだった。
お母さん色に染まる
お母さん大学の藤本裕子学長から、30年間どのようにお母さんを笑顔にしてきたのかという話があった。
虐待も増え、お母さんの心が消えてしまいそうな社会だが、お母さんが笑顔になれば、SDGs も達成できる、と。
いつもと変わらぬ藤本学長の話にホッとしているのも束の間、ちっごのお母さん記者がお母さん大学に出会い、どう笑顔になったのかを一言ずつ話すことに。
「ただただお母さんでいることがうれしく思える」
「ペンを持つことで産後うつを乗り越えられた」
「2人目の子育てで苦労したが、ペンを持って怒らなくなった」
「何事も主体的に考え、動くことができるように。子育てもうんと楽になった」
「虐待は他人事ではないが、仲間がいるから乗り越えられる」
「相談できる人がいない。でもお母さん大学を通して私には一万人のお母さんが後ろにいると思える」…。
続いて3人のお母さん記者が、それぞれ自分の記事を朗読。
すると一気に会場がお母さん色に染まり、やさしい空気に変わった。
他愛もない日常の中で感じること。
これが私たちの大切な情報だ。
お母さんがペンを持つことは、心の底から「お母さんが笑顔」になる秘訣。
会場の変化は、新聞活動によって起こる、お母さんの意識と行動の変化、その縮図のようだった。
さらに会場の熱量を上げたのは、参加者全員による「お母さんは○○」のブレーンストーミング。
お母さんは愛・私の力・偉大・帰る場所・苦労と喜びの繰り返し・原点・一番の私のファン・大きな樹・輝き・宇宙・最高・泉・豊か・スーパーマン・不変です!
ちっご中の人々が「お母さんの心」になったらどんなに素敵なまちになるか、それを実証するブレストだった。
百万母力パートナー企業、おなか元気グループの白仁田裕二代表が、「私は母の大きな愛で包み込み育ててもらったが、子育ては妻に任せっきりだった。孤育ての社会環境を知り、お母さんたちに笑顔になってもらいたいので応援している」と話すと、すかさず「懺悔ですね!」と藤本学長。
応援ではなく協働事業として
「百万母力プロジェクト」とは、お母さん業界新聞を通して孤育てをなくし、お母さんを笑顔にする活動であり、企業や自治体の協働事業としてこれを支える「百万母力パートナーズ」を募集中。
地域に貢献する企業、CSR やSDGsに取り組む企業、女性活躍推進や社員の働き方改革に注力する企業等に説明し参画を求めていきたいと考えている。
だが企業の多くが活動の意味やメリットのイメージがわかないようで、伝えるのは至難の業であることを実感中。
お母さんが笑顔になれば、子どももお父さんもうれしいし、家庭が円満なら仕事もがんばれる。
社員ががんばれると業績も上がり地域も活性化する。
すべてはお母さんの笑顔がカギなのだ。
簡単な話だと思うが、伝える力が欲しい。
問題は主役の「笑顔にしたいお母さん」は誰かということ。
ズバリ女性社員か男性社員のパートナーか、お客様か、地域のお母さんがターゲットか…。
企業の場合、人事、広報、CSR…と担当も変わるが、最新の企業PRであると、理解いただくことがポイントだ。
一人のお母さんを笑顔にする
閉会後、参加企業の皆様から続々と感想が届いた。
「お母さん一人ひとりの想いが大きな力になっていくのだと思えました」
「社会が動いていく感覚を肌で感じました。私たちも事業をご一緒できるようがんばっていけたらと思います」
「目からうろこの話ばかりでした。弊社に何ができるか考えてみます」…。
これからが本当の意味でのはじまりだ。
この日蒔いた種がたんぽぽの綿毛のように飛んで「お母さんの笑顔」の花があちらこちらで咲きますように。
ちっごから九州、日本、世界中が「お母さんの笑顔」で満開になりますように。
たくさんのお母さんの思いをつなげ、百万母力を実現したい。
(ちっご版編集長・池田彩)
社員の家族のためにも
60 歳を過ぎ、両親を無事に天国に送り届けた頃から、親の愛情のありがたさを強く感じています。
そして孫を見るにつれ、母の強さ、親の大切さ、責任を考えるようになりました。
お母さんたちの子育ての悩みを、最大の喜びに変える力を、お母さん大学は「お母さん業界新聞」という手段で伝え、お母さんたちを励まし支えているということを実感した時間となりました。
男には理解できないところがあります。
核家族が多い現代では、誰に尋ねようもない切実な問題でもあるでしょう。
ペンを持つ、その先にある素晴らしい世界を、ぜひ多くのお母さんたちに体感してほしいものです。
子どもは宝。
その子どもたちがどのように育ち、これからの社会の大事な歯車になれるかどうかは、お母さんだけではなく、両親だけでもなく、社会の責任、義務だと思っています。
そして、企業の社員にも家族があります。
(お母さん業界新聞ちっご版2020年1月号 2面)
素晴らしい記事をありがとうございます。
池田さんのこれまでの思い、それを一緒に支えながら頑張ってきた安達さんや仲間たち。
写真を見ながら、知っている面々の顔も見られて嬉しい限りです。
今年はいろんな面で変わらざるを得ない日本社会になるはずです。
そこにお母さん大学の仲間は突っ込んで変化を楽しみましょう。
初めての試みでドキドキでしたが、やってみると良かったという思いでいっぱいです。
私たちとしても、良い経験となりました。
お母さんたちとつながり続けてきたからこそ、今年は企業さんたちとより繋がっていきたいです。