企画力もない、文章力もない、そんな私が編集長になって5年が経った。
人間でいう5歳は社会性が身につく頃、ちょうどわが家の末っ子と同じくらいだ。
確かに、文章力どころか、平仮名が書けるようになったばかり。
企画なんて関係ない、自分のやりたいことにまっしぐらなお年頃。
なるほど、思いだけで突っ走ってきた5年を思うと、末っ子とさほど変わらないような気がする。
私とお母さん大学の出会いは、長女が1歳の時。かれこれ12年前。
はじめての子育てで右往左往。
引っ越してきたばかりのはじめての土地で友だちもおらず、
夫も帰りは遅く、人と話すのは一日のうち、スーパーに行ったときくらい。
昼間はなんとか、明るさでしのげたが、夜、赤ちゃんと二人きりになるのがとてつもなく怖かった。
気力も体力も限界だったのかもしれない。
赤ちゃんがかわいくないわけではない。
けれど自分がどんどんなくなっていくような感じがして、
人生のハズレくじを引いてしまったような、しっぽを巻いて逃げ出したくなるような、そんな心境だった。
そんな私に「お母さんはスゴイ!」
「未来をつくるのはお母さんなんだよ!」と励ましてくれたのがお母さん大学だった。
そして、全国のお母さん大学生が子育ての醍醐味をペンを持ち、教えてくれた。
熊本の七男三女の母「信子かあさん」こと岸信子さん、
佐世保の六男二女の母、田川亜寿香さんをはじめ、
先輩母さんたちが日々伝えてくれる子どもたちの様子は、
面白おかしくて、感動で涙が止まらないこともあった。
子どもってスゴイな、お母さん業って面白いんだなと、
いつのまにか「お母さん」の日々が宝物に感じられるようになっていた。
地域で顔の見えるつながりをつくりたいと「ちっご版」を立ち上げて5年。
あったかいを通り越して沸騰寸前のお母さん大学の仲間たち。
共に孤育てをなくそうと協働している企業の皆様に出会った。
なんの力もない私だけれど、「出会い」の運だけは誰にも負けない。
おかげさまで本紙も5周年を迎えることができました。
「SDGs(2030年までに達成すべき持続可能な開発目標)」と歩みを揃え、
隣のお母さんや大切な誰かに手渡ししたくなるような新聞をつくり、
2030年には九州中のお母さんとつながって、「笑顔で子育て」が当たり前に地域の中にあることを目指します。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
(ちっご版編集長 池田彩)
(お母さん業界新聞ちっご版Vol.61 2020年3月号 3面 ちっご版5周年を迎えて 2030年への約束)
彩さんは凄いです!
初めてあなたの行動力にびっくりしたのが、赤ちゃん連れで横浜に来たことでした。
観察するのが趣味の私ですからハッキリと覚えていたんですよ。
そして今では子育て母さんとしてシッカリこどもに向き合いながら、大人としての行動力を発揮し
子ども達はその後ろ姿を吸い取っているはずです。
その力は周りの仲間関係に刺激を与えて、あちらこちらから笑顔の集団の輪ができていることを今回の記事で
感じています。