お母さん大学は、“孤育て”をなくし、お母さんの笑顔をつなげています

令和維新に響く音、夏近し

数年前にアルゼンチンタンゴの映像を見て、バンドネオンに興味を持った。
本物は高すぎて買えなかったので、似たようなコンサーティーナという楽器を手に入れた。
しかし全く弾けない。
音は出るがメロディーがつながらない。簡単な譜面が弾けない。
それなりにできるだろうと自信過剰だった自分にイライラしてお蔵入り。

この自粛期間中、在宅ワークで時間ができた。
外出は買い物だけ。
パソコンばかりしていてふと思い出した。再チャレンジの機会かもしれないと。

電源も準備も何もいらないのが手軽でいい。
その辺に置いておいて、ちょっと息抜きに手に取る。
イメージは小さなアコーディオン。鍵盤はなくてボタンを押す。
バンドネオンにはほど遠く、たとえればピアニカのような音だが、
なんとか『アメイジング・グレイス』を弾けるようになった。

明治初期、
横浜絵と呼ばれる浮世絵の第一人者、歌川貞秀が描いた、コンサーティーナを弾いて遊ぶ米国の女性秘書の絵がある。
横浜絵とは、維新期のエキゾチックな風俗を描いた浮世絵だ。

その昔、横浜の地で誰かが聴いた音色。
今の私が奏でるたどたどしい音も、変化しようとする歴史の中で鳴っているのでは…
浪漫に浸ったところで、息子の舌打ちを耳にする。現実はつれない。

(お母さん業界新聞横浜版6月号 編集長のYOKOHAMAさんぽ より)

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植地宏美
お母さん大学横浜支局。 お母さん業界新聞横浜版編集長(2019.10〜2021.12)。 長女21歳、長男17歳、次男15歳。 お母さん大学をものすごく、楽しんでいます。 結果、 お母さんをものすごく、楽しんでいます。