蝉時雨木々ふるはせて光堂(平畑静塔)。
懸命に鳴き続けるのは、
新たな命をつなぐオスの求愛行動であるがゆえ。
成虫になり1週間程度でその生涯を閉じるセミの一生は、
儚さの代名詞として使われる。
だが「セミの寿命1週間は俗説!」の文字が新聞やネットをにぎわせたのは2016年。
岡山県立高校3年生だった植松蒼さんは、多種類のセミ863匹にマーキングし、15匹を再捕獲。
最長のアブラゼミで32日間生存することを突き止めた。
昆虫に興味を持ったのは小学1年生のとき。
研究のきっかけは
「1週間しか生きられないのに、夏の間に死骸を見かけることが少ないのはなぜ?」
という素朴な疑問からだった。
情報社会では批判的思考(クリティカル・シンキング)が必要であり、
まずは疑問を持ち、じっくりと考察した上で結論を出すこと。
好奇心こそが学びの最大の原動力であると知る。
夏休みを好機にしたい。
(苺一絵 2020年8月号)
その通説はまだ残っていますね
息子にもセミさんは命が短いから、逃してあげようねと教え
家の中がセミだらけになることをなんとか防いでいます
疑問を持たずに生きてきたタイプなので、何もなしえていないのだなと。
でも、だからノホホンしあわせなのかもなと。