お母さん大学は、“孤育て”をなくし、お母さんの笑顔をつなげています

夏空に沁みる、風鈴の音色

夏休みは祖父母の家に親戚が集まった。
日中のうだるような暑さから一転、陽が落ちると涼しい風が縁側から吹いてくる。
古い畳と線香の匂いが混ざる中、祖母が蚊帳を張ってくれた。
子どもたちの聖域ができて、いつもより長い夜にはしゃぐ。
寝入り端にはチリーンと風鈴の音が聞こえていた。
風鈴の音で涼しく感じるというのはドラマや小説による一種の洗脳のようだ。
ただ、この音が運ぶ、懐かしい記憶や感情は悪くない。

平沼橋にある横浜イングリッシュガーデンでは、6月28日から「サマー・フェスティバル」が行われている。

春が旬かと思っていたバラが、暑い日差しの中、色鮮やかに咲いてとても美しい。
緑の道に誘われて、奥へと進むと、突如風鈴の道が現れた。
空いっぱいに広がる風鈴と力強く咲くバラと。
そして、風が吹いたのだろうか。一つの風鈴がカチリと鳴ったかと思うと次の瞬間、すべての風鈴が一斉にキラキラ鳴り出した。
その音色はかなりの迫力で、まるで拍手喝采を受けているようだった。

もしほんの30分でも時間ができたのなら、一度訪れてみてほしい。

お母さん業は同じことの繰り返し。
仕事と家事をこなしつつ、子どもの声に耳を傾けたり、お風呂の準備をしながら明日のお弁当のメニューを考えたり…。
誰も見ていないけれど、ここでは、がんばっているねとお母さんの役割を称え、拍手をもらえたような気持ちになれる。

私はというと、この風鈴の下を2度ほど往復した。
なぜか、「宏美ちゃん、ガンバッテ」と祖母の声に聞こえたから。

(お母さん業界新聞横浜版 2021年8月号 編集長のYOKOHAMAさんぽ より)

横浜イングリッシュガーデン(西区西平沼町6-1)
https://www.y-eg.jp/

サマーフェスティバルは9月16日までです!

6/28(月)~「サマー・フェスティバル」のお知らせ

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ABOUT US
植地宏美
お母さん大学横浜支局。 お母さん業界新聞横浜版編集長(2019.10〜2021.12)。 長女21歳、長男18歳、次男15歳。 お母さん大学をものすごく、楽しんでいます。 結果、 お母さんをものすごく、楽しんでいます。