育休の楽しさを吹聴する日々
玉置太郎(大阪市)
朝食を用意しながら息子のミルクをつくり、妻を見送る。
会社には、行きません。
昨年末に第1子を授かり、今春から5か月の育児休暇を取っています。
15年間、全国紙の新聞記者として働いてきました。
勤務時間は不規則です。
元保育士の妻は小学校教諭を目指し通信制大学で免許取得のため勉強中。
小学校で学習支援員もしています。
昨年、妊娠で教育実習が延期になり、私は育休を取る決心をしました。
上司に相談すると、さすがに「ジェンダー平等」を
標榜する新聞社だけあり、嫌な顔はされません。
ただ、男性の先輩からは「俺らの時代は考えられへんかった」
「5か月って結構長いね」といった反応がありました。
何気ない言葉ですが、「普通じゃない」と言われているようで、気になりました。
それでも、取ってよかった。
日々息子と接し、親自身の時間的余裕は、
子への愛情を確認する大事な要素だと感じます。
子どもの気ままなふるまいを気長に待つこと。
手探りのコミュニケーションを楽しむこと。
日ごとの成長をつぶさに感じ取ること。
育休で生まれた時間が、それを可能にしてくれます。
また、育休は「家事休」でもありました。
日々の生活に必要な作業と、得られる喜びを、
どれだけ均等に夫婦でシェアできるか。
ゼロベースで考え直す機会になりました。
5か月の育休が取れる私は、
今の日本社会の中では恵まれているのでしょう。
ただ、取れる人が取らない限り、
男性の育休が社会の「普通」にはなり得ません。
この前、後輩の男性記者から育休の取り方を相談されました。
友だちにも育休の楽しさを吹聴する日々です。
ここから育休の「連鎖」が生まれればいいな。そう願っています。
(お母さん業界新聞大阪版2021年6月号掲載)
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