最初に「ヒヤリ体験」って?
子どものいたずらやまさかの行動で、ヒヤリとしたりハッとしたりした経験のこと。「ギリギリセーフだったものの、あと数センチずれていたら…」「気づくのがあと10秒遅れていたら…」と身の縮まるような思いをしたことありますよね。
ここでは、お母さん大学生に聞いた「子育て中のヒヤリ体験」をご紹介。
これらを参考に、日常の危険について考えていきましょう!
転倒・転落、誤飲や火傷など。
慣れたところでも事故は起こります。
1)炊飯器で火傷
家事をしていると、次男2歳の泣き声が。振り向くと、手のひらが真っ赤になっていました。
何にでも興味がある時期、炊飯器から出る湯気がとても気になったのでしょう。火傷を負わせてしまいました。
炊飯器のスイッチを入れ、息子の手の届くところに置いてしまったことを反省。
消毒と包帯の交換に1週間皮膚科に通いましたが、顔までは被害もなく、手もきれいに治りました。(越智友子)
2)風呂場で溺れかけた
4歳の次女が2歳の三女とお風呂に入っていた時のこと。いつもすっぽんぽんで上がってリビングで走り回る次女と、しっかり者で一人で湯船で遊んで待っていられる三女。
その日も先に上がった次女にパジャマを着せようと自分もずぶ濡れのままリビングへ追いかけていこうとして…。虫の知らせか、ふと風呂場を見ると、三女が足を滑らせ湯船でアップアップともがいていた。それはもう、血の気が引く思いだった。(益子由実)
3)夫の煙草を口に
長女が1歳まもない頃。夫がリビングに置いていた煙草の吸殻を、そのまま口に入れてしまったのです。
すぐに吐かせて病院へ連れて行き、検査をしてもらいました。飲み込んだわけではなく、すぐにうがいをさせたので大丈夫だったのですが、あの時は、とにかく焦って病院に飛んで行ってしまいました。(池田彩)
4)ドアに挟まれた!
次女が伝い歩きで、ドアの蝶番に手を置いていた時、長女がドアを閉めてしまい、指を挟んで大泣きに。
茶碗を洗っていたのですが、叫び声に驚いて駆けつけると、長女が「閉まらない」とドアをグイグイ引っ張っていて、次女は指が挟まったまま動けず大泣き。
私も取り乱して叫んでしまい、驚いた長女も泣き出して、まさに修羅場!
第一関節まで挟まっていたのですが、次女の指が細かったので、ドアの隙間に挟まれた感じで済み、腫れただけで済みました。(中村あす香)
5)抱っこは慎重に
3か月の次男は二度も落下しています。一度目は、夫が抱っこしていて、片手で別のことをしようとした瞬間、じたばたした次男が頭から床に落下。途中、本棚にもぶつかった模様。「3人目ともなると、つい片手になってしまうけれど、反省」と夫。
2度目はお姉ちゃん(4歳)が抱っこしていて、危なっかしいなぁと思っていたら、案の定、頭から床に落とした! 打った箇所が青くなり、冷やしていたら、その後赤くなりました。(山中菜詩)
6)水銀の体温計を噛んで
次女が2歳の頃のこと。水銀体温計を取り出して、歯で割ったらしく、長女(5歳)が、それを伝えに来てくれたおかげで助かったけれど、焦りました。
水銀はカーペットに落ちると水滴のように丸まり、拭いても取れません。ネットで調べると、アルミホイルで吸い取るとありました。
はじめてのことで、これがどう危険なのかもわからず不安でした。救急にかけても、先生がいないと断られ、なかなか診てくれる病院が見つかりませんでした。
最終的には、たまたま在宅だった近所の小児科医が診てくださり、大丈夫と言われ、やっとほっとしました。(戸﨑朋子)
7)アロマオイルが目に
息子が3歳の頃。お風呂掃除をしていると、突然リビングから「ギャーッ!」っと叫び声に近い泣き声が。慌てて駆けつけると、「痛い痛い痛い!」と足踏みし、パニック状態の息子。
どこが痛いか尋ねると、「おめめ!!!」 。
フタが開いたアロマオイルのビンが転がっていました。間髪入れずお風呂場に連れて行き、服のまま顔にシャワーをかけ、とにかく目を洗いました。
「手の届くところに危ないものは置かない」が徹底されていませんでした。(中村愛沙)
迷子や飛び出し、遊具や階段の事故など。
目や手を離さないで!
1)滑り台から真っ逆さま
公園の滑り台で遊んでいた時のこと。娘2歳は、一人で滑れるようになったばかり。それまでは私も一緒に上がっていたのですが、その日は、もう一人でできるからと、追いはらわれてしまいました。
いつもより混雑していた公園。娘の滑る順番が回ってきて、かがもうとしたその時、公園で友だちと追いかけっこをしていた小学生に跳ね飛ばされ、真っ逆さまに墜落してしまいました。
娘はギャン泣き。頭も打ったので救急車を呼ぶ騒ぎになりましたが、真冬で厚着をしていたのが幸い。打撲も骨折もなく、正真正銘の無傷でした。(坂井友美)
2)エレベーターに閉じ込め
2歳になる息子と出かけていて、マンションに帰ってきた時のこと。エレベーターで自宅階に到着。荷物で両手がふさがっていた私は先にエレベーターを降り、「開」ボタンを押そうとしたその時、扉が閉まってしまいました!
慌てて「開」を押し続けましたが、扉は完全に閉まり降下。瞬間、息子のウギャーッ!という泣き声が、マンションじゅうに響きわたりました。
慌ててもう一つのエレベーターで1階へ。先に着いていたエレベーターは、扉が閉まっていましたが、中から息子の泣き声が。
扉が開き、息子と対面できた時は、肩の力が抜けました。(神沢景)
3)店内をうろちょろ
息子と道の駅に買い物に行った時。お店では大興奮でうろちょろする息子。抱っこすると猛烈に嫌がるし、小さい店だから大丈夫だろうと、そのままにしていた。お店の人も息子に声をかけてくれるし、と安心していたのだ。
レジで支払いをしていると、あれ?息子の姿が消えている。小さいから棚に隠れて見えないのかなと、慌ててレジを済ませ店中探したが、どこにもいない。
まさか外へ?と出てみると、道路を横断している息子が、私の目に飛び込んできた。一瞬で血の気が引き、一目散に駆けて行った。車が走っていなかったのが救いだった。(萩尾かつら)
ベビーカーや自転車など。
バランスを崩せば大事故に!
1)ヘルメットと安全ベルト
前に娘、後ろに息子を乗せて電動自転車に乗っていました。ハンドルにかけていた息子の荷物がタイヤに引っかかり、自転車が急停止。
娘が乗っていたため、ハンドルを離せず、握ったまま左の肘で地面を受け止め、子どもたちは無傷でした。
2人ともヘルメットをかぶり、ベルトもしていて無事でしたが、もしやっていなかったら…。また転んだところに車が来たら…。
ヘルメットとベルト、そして私の左肘が守ってくれた!(藤井裕子)
2)踏み切り内回転事故
息子が6か月の頃。踏み切りを横断中に、ベビーカーの前輪が線路の隙間に挟まり、前輪を軸に、座面が完全に下に前に180°回転しました。
幸いベルトをしっかりしていた息子は、そのままシートにしっかりくっついており、全くケガはありませんでしたが、ぞっとします。(渡邊智子)
3)ベビーカーですやすや
長女3歳。2人で出かけた帰り道、ベビーカーで寝てしまった長女。ちょと寄るところがあって、店頭にベビーカーを置いたまま店内へ。
ベビーカーが車にひかれかけてたよ!と通りすがりの人に声をかけれた。 夕方で薄暗く、曲がり角で車からはベビーカーが見えづらい状況だったので、心臓がバクバクしました。ひかれなくて本当によかった。(平井直子)
4)車内に子どもを残したまま
長女2歳、とても天気のいい春先のことでした。近所のスーパーに買い物へ。長女がチャイルドシートで爆睡していたので、そのまま車の中に置いて、買い物に行きました。
戻ってきて鍵を開けようとしたら、なんと、鍵の閉じ込みをしてしまいました。家に合鍵があるので、すぐに家に電話しましたが、誰も出ません。
どうしよう…。JAFに連絡したくても電話番号がわからない。スーパーに戻って受付の人に番号を聞こう。と、ちょうどその時、同居していた義父から電話があり、事なきを得ました。
短時間でも、車内に子どもを置いて行ってはいけない!という教訓でした。(浅川晃子)
5)スーパーのカートから転落
スーパーで、2歳の息子をカートに乗せ、ショッピングをしていると、突然息子が勢いよく後ろ向きにカートから転落。すごい音がして、頭を強打し大泣き。
キズはなかったので、帰宅し様子を見ていると、昼寝をしたので一安心。夕方むくっと起き上がり吐いたので、慌てて救急病院へ。
頭蓋骨にひびが入っていました。入院して点滴をし様子を見ることになりましたが、翌朝、特に問題はないということで退院できました。(田中清美)
乳幼児に突発的に起こる病気もたくさん。
冷静な対応が求められます。
1)肘内症(ちゅうないしょう)
遊具で遊んでいて、座り込んだ娘を立たせようと腕を持って引っ張ったら、急に泣き出しました。しばらくすると泣き止んだものの、腕を動かそうとせず、腕を触るとまた泣き出します。
これはおかしいと思い慌てて病院へ行くと、肘内症と言われました。
腕を引っ張った時に、肘が抜けたような状態になることがあることを、はじめて知りました。そんなに強く引っ張ったつもりはなかったので、とても驚きました。(中野久美子)
2)ウィルス性胃腸炎
2歳の娘が、熱もないのに突然の痙攣。意識なくガタガタ揺れる娘の体を抱きながら、冷や汗が噴出。行きつけの病院から市立病院へ運ばれ、脳波検査をしたけれど異常なし。
ウィルス性胃腸炎の際に、まれに痙攣が起こるということを、後日、行きつけの小児科の先生が教えてくれました。(八木橋真心)
3)蜂窩織炎(ほうかしきえん)
次男がまだ1歳になる前のこと。とびひで皮膚科に行きましたが、その後に目が腫れて眼科に行くも、原因不明。
元気がなく、熱も高かったので小児科に連れて行くと、とびひが原因と言われそのまま入院することになりました。
病名は蜂窩織炎。入院になった時の胸のざわつきは忘れられません。
はじめは皮膚科、次は眼科に行ったけれど、はじめから小児科に行っていれば防げたのかもしれないと悔やみました。(安達真依)
子どもを事故から守るために
子どもの死亡原因の第1位は「不慮の事故」によるものですが、そのうちなんと8割が、「ほんの少しの気配りで防止可能な事故」だそう。子どもの発達を知り、それに対して少し早めに的確な対応、日頃の注意や環境づくりをすることで未然に防げるというのです。
下の図は、転倒や誤飲、火傷などとともに発生例の多い事故です。水回りの事故とは、お風呂やトイレ、キッチンなど毎日慣れ親しんでいる場で起こるあわやの事故。なんと過半数がヒヤリ体験者。日頃から危険箇所を示したり、熱さを体感させることなども必要なのかもしれません。
製品による事故の場合、メーカーの製品改良も必須ですが、一緒に生活しながら、正しい使い方を教えたり、注意したりするのが一番です。
ベビーカーやスリング、フードや紐付きパーカーなどは近年増えている事故で、マスコミでもよく取り上げられています。他人事とは思わず、情報に耳を傾け注意をはらうこと。大丈夫という気のゆるみや、使い方の誤りなどが事故につながり、命の危険さえ招きかねないのです。
子どもを守るのは、お母さんの役目。皆さんの体験談を、ぜひ参考にしてください。
(お母さん業界新聞Vol.105)
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