お母さん大学は、“孤育て”をなくし、お母さんの笑顔をつなげています

母ゴコロ横丁/今できることを一つずつ ~ウクライナ避難民支援から2か月~

 

ウクライナ侵攻から2か月が経過する中、隣国ルーマニアの北西部クルージュで、1000組近い避難家族の支援を続けているパトリチア・クドウさん(右写真中央)。戦争の悲惨なニュースが飛び交うが、10年来の友人である彼女が伝えてくれる現状を通して、人々の暮らしをぐっと身近に感じている。

彼女が主宰するNGOの寄付センターでは、これまで住居や学校探しのほか、寄付による日常生活品や医療品の援助などで暮らしを支えている。初めは援助に遠慮がちで、悲嘆にくれていたウクライナの母たちにも、「これからどうやって暮らしを立てていく?」と寄り添い、仕事探しも手伝う。
自らセンターのボランティアになった人もいる。3児の母で弁護士だったアーニャさんは、ジムで趣味のダンスを教えるアルバイトを始めると、明るさを取り戻したという。

センターで心がけているのは「大丈夫。安心して」という場づくり。隣に座って寄付の洋服を一緒に畳む。子どもたちと絵を描く。そうした中で人々は落ち着き、心を開いていく。「今できることを一つずつ」。一見、元気に遊ぶ子どもたちが負った心のケアにも力を注いでいる。

10代の息子2人の母親でもあるパトリチアさん。「私は援助活動をしているけれど、逆に人生で何が大切かをいつも教えてもらっている。自分の暮らしと心を大切に。ママたちが子どもたちを元気に育てることが最も平和のためになる。一緒に意識を向けていきたいですね」明るく愛情を持って人々と接する彼女を心から応援したい。

わが家の日常に目をやると、小噴火もしょっちゅうだが、兄妹がリビングでじゃれ合う姿、笑い声、食卓でのおしゃべり。

当たり前こそが平和で、大事だなぁと思う気持ちは、海をまたいできっと同じ。国に残る家族の無事を案じる中、今日もわが子のために力を寄せているお母さんたち。一日も早く、家族が集えますようにと願わずにはいられない。

日本でも、パトリチアさんのように草の根ネットワークで活動する団体・個人の支援を後押ししようと、3月中旬に一般社団法人WDRAC(戦災復興支援センター)が支援者を支援する団体として設立され、寄付を受付中。寄付金は直接支援団体に届き、活動に役立てられている。

子育ては社会につながる大事業。だからこそ、支え合いたい。直接何かはできなくても、子を
思う母心で世界はきっとつながれる。平和を願う支援の輪が広がりますように。(山﨑恵/川口市)

一般社団法人WDRAC(戦災復興支援センター)寄付の詳細▶

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