—過熱する小中学受験は、多くの「燃え尽きた子ども」「生きる力に欠けた子ども」を生んでいます。
毎日長時間に及ぶ学習塾通いのために、すべてを準備し、子どもに何もさせない親。学校に対して「負担だから宿題を出すな」と要求する親—(「はじめに」から引用)たちへ、一石を投じる一冊です。
このままでは「勉強はできても、働くことの意味を知らない、段取りの下手な、仲間のいない、ひいては就職力のない子どもたちになってしまう」と危惧する著者。
「これは自立どころか、ニートまっしぐらの道。そこからどうやったら抜け出せるでしょう?」この問いに対する答えは、「与えすぎないこと」「ヒマ・貧乏・お手伝い」「放牧型イベント」。そして、その中核にあるのが「お手伝い至上主義」なのです。
経営コンサルティング会社であるBCG、アクセンチュアを経て、教育の世界に転じた三谷宏治さん。社会人教育と同時に、子ども、親、教員向けに、「決める力」「発想力」「生きる力」をテーマに授業・講演を行っている。
綴られているのは、人材育成のプロである父と娘たち3人への人材育成プロジェクト。具体事例満載の進捗レポートともいえるだろう。
三谷家の子育ては「子どもたち自身が求め、親に説明し、決める」が原則。たとえば習い事も、親がさせるものではなく、子どもの「やりたい」がスタート。
そこで、なぜやりたいのか、どこで習えるのか、いくらかかるのか…、子ども自身が調べて親にプレゼンをする。高校や大学選びにも手出しはしない。でも、なぜ進学するのか、なぜその学校なのか、総額いくらかかるのかは問う。
それを、子どもたち自身が考え調べ、答えていく。「小5の娘に予算10万円の家族旅行企画を任せる」などさまざまな事例に度肝を抜かれるが、妙に納得がいく。そしてそれは、家庭の中のことに留まらず、社会に出たときに即戦力となる企画力、交渉力、実行力なのだと気づいたときの感動!
モノや情報であふれた豊かな日本社会の中で、何を選び、子どもに伝えるのかは、お父さんやお母さんに委ねられている。「ヒマ・貧乏・お手伝い」を最重視するお手伝い至上主義。「与え過ぎない教育」こそが自立した 子どもを育てる。脳内改革を起こす本を、ぜひ!
●プレゼント 希望者は、件名に「商品名」を書き、1氏名、2〒住所、3ケータイ番号、4メールアドレスを記入し、お母さん業界新聞社(info@30ans.com)へメールで送ってください(5/20必着)。
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