おにぎりといえば鮭・梅・昆布。3番目にくるあたりが謙虚な昆布だが、なかなかどうして隅に置けない▶大阪船場の老舗昆布屋・小倉屋山本の塩昆布「えびすめ」は、お惣菜から贈答品へとイメージを一変させた逸品▶『白い巨塔』でおなじみの人気作家・山崎豊子が、生家の小倉屋山本をモデルに大阪商人の気骨を描き切った小説『暖簾』の一節。「深い海の潮を吸ったままのような艶々しい上質の昆布」「飴のように透き徹った、風味最高のじょうものの昆布」さすがの表現だ▶「えびすめ」とは古い日本語で昆布の意。豊子の兄、三代目店主山本利助は北海道産真昆布にこだわり、試行錯誤の末に1949年、日本初の塩ふき昆布「えびすめ」を開発販売▶2021年、同商品を通じ、塩ふき昆布の魅力を伝えることを目的とした「塩ふき昆布の日」を制定。昆布で白飯を食べたり、昆布を酒のつまみにしたりと、滋味溢れる昆布の美味しさを味わってみようか。
イラスト:石坂 香
協力:一般社団法人日本記念日協会
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