都内7か所にある街中大型ビジョンに
孤育てをなくし、お母さんを笑顔にするCМが流れる。
制作は、お母さん大学のお母さんたち。
30秒の映像で伝える母ゴコロ。
子どもたちの未来につながる映像プロジェクトが始まった。
お母さんを笑顔にする映像をつくりませんか?
「お母さんの笑顔」をテーマに、さまざまなプロジェクトを行ってきたお母さん業界新聞社。
そこにはたくさんのコンテンツとお母さんの想いがあると知った株式会社フィルムメーカーズクラブの田中真人さんとTKトラックスの喜多村豊さんは、「お母さんたちの力になりたい。お母さん大学のCMをつくりませんか?」と提案してくれた。
「未来を明るくするカギは、お母さんの笑顔!」お母さんたちで映像をつくり、たくさんの人に見てもらうことで、よりたくさんのお母さんを笑顔にしていくという、新たなプロジェクトが生まれた。
お母さん大学を30秒で表現できるか
コロナで緊急事態宣言が出た2年前。ストレスフルになっていたお母さんたちを少しでも元気にしようと、ユーチューブに「お母さん大学チャンネル」を開設。手を挙げてくれたお母さんたちとチームをつくり、10本の動画制作にチャレンジした。
自画自賛だがなかなかの出来。だがどれも2分以上尺がある。今回は30秒でお母さん大学を伝えるというミッションだ。
そこで思いついたのが、「お母さん大学ガチャ」だった。「お母さん大学あるある」を問題にしてカプセルに入れる。引いた人はどんな問題も考えて、必ず回答しなければならない。以前みんなでやったことがあり、なかなか面白かったので、再現することに。
田中さんにデモ動画を見せると、「この切り口は好きですよ!」と、うれしいゴーサイン。2か月悩んだ末の映像が完成した。
渋谷センター街で映像デビュー
まずは、お母さん大学生の相澤利奈さんと長女のここみちゃん(小2)を主役にした動画2本を制作。2月6日~12日、都内7か所の大型ビジョンに流れるという。
8日、先陣を切って取材に行ったのは、相澤さん親子。凍てつく寒さの中、人々が行き交う渋谷センター街のど真ん中でビジョンを見上げ、その時を待つ。「あっ、流れた!」。写真や動画を撮っていると、あっという間に30秒。
さらに、歩いて4分の渋谷宇田川町ビジョンに向かい、そこでも映像が流れるのをじっと待つ。
「子どもたちにとっては過酷なロケでした。でも大きな画面に子どもが大映しになったときはうれしかったですね。感動しました。私が出るのはちょっと…ですが、もう捨て身です。お母さんだけでなくいろんな人に見てもらいたいですね」と相澤さん。
雨の新宿で蘇ったお母さんの心
新宿のビジョン取材には、娘が同行してくれた。ところが新宿三丁目駅を出ると無情の雨が。大きな交差点で傘を差しながらモニターを見上げ、映像を待ち続ける母を、娘はどう思っていたのか…。
夜の新宿。雨のネオン街はいつにも増してキラキラして見えた。すると突如としてビジョンに、相澤さんのニコッとした笑顔が大映しにされた。ここみちゃんが難しい漢字をう~んとがんばって読む映像も流れた。
ここは、お母さん大学とは遥か遠い街のような気もするが、一方でほっこりとした映像に、賑やかな街の持つ寂しさという裏側が際立つ。「撮るよ!」私の後ろ姿を、傘を脇でおさえながら、娘が撮影してくれた。
一瞬、ここみちゃんくらいの頃の娘の姿が脳裏に浮かんだ。あの頃の私は仕事と子育てでいっぱいで、ほとんど何も覚えていない。私は孤立していたのだろうか。いや、孤立していたことすら気づいていなかったのかも…。
一人で来ていたら何も感じなかっただろう。娘がいたせいで、十数年前の母ゴコロが蘇った。
鉄腕アトムの十万馬力が百万母力に変わる⁉
大雪から一転して、快晴に恵まれた週末。高田馬場駅に向かうと、JR山手線のホームからビジョンが見えた。
しかしこの日は一人なので自撮り。しかも2、3分おきに電車がやってくる。ビジョンは停車する電車にほぼ隠れてしまうため、そのときにお母さん大学の映像が流れてしまわないかと、ハラハラしながらビジョンをじっと見つめる。
高田馬場は「鉄腕アトムが生まれた街」で、手塚プロダクションがあるところ。
実は本紙の副題「百万母力の情報紙」というワード。「一人のお母さんの力は弱くても、百万人が集まれば大きな力となる。だからつながろう」そんな思いを込めたネーミングはアトムに由来する。
「十万馬力」のアトムはロボットだが、人間以上にやさしい心を持った正義の味方。そんなアトムにもじって「百万母力」という、世の中にはない新聞のキャッチコピーが誕生した。
電車が発進するとき、鉄腕アトムの主題歌「♪心やさしい〜ラララ科学の子〜♬」のメロディーとともにお母さん大学の映像が流れる。十万馬力のアトムが、お母さんを応援してくれている気がした。
足早に電車から改札へと急ぐ人たちに紛れ、ひとりお母さんの心を噛み締める。
広告代理店には出せない母ゴコロ
大型ビジョンに流れるCМは、お母さん大学の孤育てをなくす広告戦略だ。だが映像もCМも全く素人のお母さん大学だから、不安もある。
「だからいいんです。大手広告代理店では出せないお母さんならではの味を出してください」と田中さん。
30秒で道行く人々に母ゴコロを伝えるのは容易ではない。だが子どもたちに未来を贈るプロジェクトだと考えたら、もうそれだけでワクワクする。今企画に興味がある方、動画づくりが好きな方は、お母さん大学まで!
大型ビジョンで流れた映像はこちらです
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「お母さん大学検定ガチャ〜魅力編」
「お母さん大学ガチャ〜推薦図書編」
(MJ植地宏美)
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