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32人のお母さんたちが、永守重信氏の著書『成しとげる力』を読んだ。読後、子どもを寝かしつけながら、家事をしながら溢れてきた思いを「感動文」(感想文)としてしたため、永守氏に宛てた。永守氏の思いは母たちにどう響いたか…。ここでは感動文の一部を抜粋し紹介する。全文は「全文を読む」ボタンからご覧ください。
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最高の自分をつかめ! 悔いなき人生を歩め!
2021年11月刊行。およそ半世紀前、小さい頃から社長になることを夢見てきた著者は、たった4人で創業を宣言。そして今や、世界No.1のモーターメーカーとして知られる大企業に。「経営のカリスマ」が、その経営哲学のみならず、人生を生きる上で大切なこととは何なのか、「人生百年時代」をどう生きていけばよいのかを、語り尽くした渾身の一冊。ビジネスリーダー1万人が選ぶ2022年上半期のベストビジネス書・TOP POINT大賞に輝いた。
日本電産会長・創業者、京都先端科学大学理事長 永守重信氏の近著
32人の母たちの感動プロジェクト「成しとげる母力」
ご主人が日本電産にお勤めだというお母さん大学生、永安英美子さんのご縁から、数年前、京都・向日市にある日本電産の社屋を訪ねたことがある。
今回、会長で創業者である永守重信氏のご本が出版されたと知り、手に取った。
一気に読み、心が揺さぶられた。この人に会いたい…。
『成しとげる力』に刺激された永安さんと私は、密かに
あることを企てた。日本中のお母さんを笑顔にする壮大な計画。永安さんはステージ3のがん治療を終え生還したばかりのときだった。私たちはその計画を「成しとげる母力プロジェクト」と命名。そして、その思いに共感した32人のお母さんたちが『成しとげる力』を読み、感想文を書いた。
経営書でありながら、「母」という文字が35回も出てくる。永守氏がお母様に影響され、生きてきたエピソードは感動だがそれだけではない。著書からは人として生きるということ、すなわち経営も子育ても同じと読み取れた。
『成しとげる力』は経営書の棚だけでなく、育児書の棚にも並べてほしい。当然だが、32人は母の視点で読んだ。中には、永守氏の持論である「一番以外はビリだ!」に反論した人、反対に「涙が溢れてきた」という人もいた。
昨年11月11日着便で送った32通の感想文ならぬ感動文。ほどなくして永守氏からお手紙と新刊本『大学で何を学ぶか』が届いた。32人はお返事とそのメッセージに感動した。
お手紙には「やや説明不足で誤解を招いている部分もあり、いずれじっくり説明させて頂きたく思っております」とあったが、永守氏のお母さんたちへの真摯な対応がうれしく、その“いずれ”がいつかと期待がふくらむ。思わず永安さんと2人、永守氏に学んだ「すぐやる、必ずやる、出来るまでやる!」と声にした。
(藤本裕子)
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安達真依
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本の中には「夢」という言葉がたくさん出てきた。「お母さん」は家庭のリーダーでもある。夢を描いて、明るい未来を語ること、その姿を家族に見せることの大切さを感じる。「今日よりも明日はもっと明るい日になる」そう言えるお母さんで在りたい。
相澤利奈
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永守さんがお母様の言葉や姿に影響を受けたように、子どもは母を通して社会を見る。幼少期の多くを過ごす母親をサポートし、子どもたちを守る世の中になればどれほどEQの高い日本人が増えるだろう。お母さんがご機嫌でいられたら家庭、地域、社会、日本、世界は幸せだと思う。
天野智子
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今の教育の風潮「みんな違ってみんないい」「無理をしない」「ほどほどでいい」…に少し違和感を覚える。恵まれた環境では生まれにくい、ハングリー精神や負けん気をどう湧き起こさせるか、親として、またそれらを糧に生きてきた人間として悩む日々だ。
金子涼子
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永守さんの生い立ちに原点があった。貧しさから諦めた学業。担任に虐げられたプライド…気魂が芽生え人生の指針となった。何より母の教えが永守さんを後押しした。「一番以外は全部ビリ」は自分を鼓舞する言葉。諦めるなということと受け取った。
宇賀佐智子
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メディアで見る永守さんは眉間にしわを寄せて怒っているし、辛そうだし、かわいそう。日本のトップを走り続けるって大変なんだろうと思っていたが、このご本「ビジネス書」なのに永守さんの人間味溢れる部分が面白く、あっという間に読み終えた。
藤川綾子
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一番であることとは。私には2人の子どもがいるが、優劣をつけられない。母とはそういう生き物で、永守様のお母様も同じだろう。お母様は「昨日の自分より今日の自分。今日の自分よりも明日の自分」「自分の中での一番であれ。惰性で生きるな」と伝えたかったのではと解釈した。
福田有子
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一番心に残ったのは、永守さんの哲学はほぼ全てがお母様からの教えであるということ。会長室の窓がお母様が眠る墓地の方向を向いているということ。深く敬愛されているのが母親であるという真実が、母である私にとっても誇らしく、うれしく思えた。
髙田沙織
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永守さんがモータの魅力に出会ったのと同じ、私がものづくりの魅力に出会ったのも小学生のとき。自分の理想の部屋を模型工作し、想像してつくる楽しさを知った。建築士となった今も、どんな風に使ってもらうかを考えるのが一番楽しい。永守さんには小学校もつくってほしい。
岸千尋
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小1の息子も毎日たくさんの経験を積んでいる。できない理由を探して逃げがちな私だが、永守さんに叱られないように、私も挑戦癖をつけたい。笑顔でいること。元気でいること。ご飯をおいしく食べること。あたたかな環境を家族につくることが私の使命だ。
木綿萌
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母として子どもという未来を育てている自負がある。今を生きるための仕事(夫)と未来をつくるための仕事(私)。お金重視の世の中で、ふと自分がしていることが正しいのか…。人材育成の費用対効果はどう計算されるのか、永守さんにお聞きしたい。
清水彩子
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息子たちが負けそうになったとき、『成しとげる力』を読んでレベルアップしてほしい。特に読んでほしいところは、「IQではなく、生きていく力EQが大切」ということ。実践してほしいことは、明るい言葉を使えば、明るい未来が見えてくるということ。
田村由佳利
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何か一つのことに打ち込んできた者や、ほかの人がやらないことに挑戦する気概をもった“とんがり人間”のほうが、仕事の場面では頭角を現すことが多い」に共感し納得。得意なこと・好きなことで何かを成しとげたいし、子どもにも伝えたい言葉。
藤尾さおり
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私も父に「一番でないと意味がない」と育てられた。一番になれないなら意味はない、自分は価値のない人間と思い込んでいた。だがお母様のエピソードや永守様の思いを読む中で、父の愛情を今さらながらに知ることができ、救われた気がしている。
西村千晶
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壮大な夢を持ち、仲間を鼓舞して、ともに諦めずに努力し続ける永守さん。言葉一つひとつに、愛を感じずにはいられなかった。これだけ物事を追求する人は、自分自身にも「愛」を持てる人。豊かな「愛」が永守さんの中を流れているのだと感じた。
戸﨑朋子
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心に残る言葉をメモ。意識の差はときに百倍もの差を生み出す/あとから来る急行より、先に出る普通電車に飛び乗れ/不可能になるのは、自分で不可能と決めつけるからである/大きな問題も千切りにすれば必ずできる。これらの言葉を心に留めたい。
植地宏美
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母と子の関係こそが人をつくることなのだと、『成しとげる力』は教えてくれた。永守様のお母様が強く言い続けた言葉たち。それはわが子の力を信じているからこそ、言えるものだろう。わが子により良い人生を送ってほしい、そう思うのならば、わが子を信じきることだと感じた。
青柳真帆
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近い将来、次々と海外の安価な労働力に取って代わり、既存の仕事の半数はAIに代替されるといわれている。変化の激しい世界を生き抜くために子どもにどんな言葉をかけるか、ぶれない芯をどう育てるか…。今からしっかりと考え、娘と接したいと思う。
冨本真理子
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育児につながる部分がたくさんあり、お母さんやお父さんでも読み応えがある本だと思う。褒めると叱るのバランス、これぞということは自らの手でという言葉が心に留まった。子育て情報が溢れる今、大事なのは、わが子から母が学ぶことだと思う。
永安英美子
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新たな夢が誕生した。幼児教育にまですそ野を広げていらっしゃる永守さんに、お母さんたちが母力を高めるための応援をお願いしたいという夢だ。永守さんが応援団長になってくださったらこれほど心強いことはない。その発言力で、ぜひ日本の子育てに一石を投じていただきたい。
山﨑恵
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厳しさと愛情の深さを、永守会長に感じる。自らの意志で行動できるよう納得するまで教え、できるまでやらせる。時には叱るが、大いに認める。千の種をまく。その積み重ねで「成しとげる力」を育てていけるのだと、母親として背筋が伸びる思いで読んだ。
福元慶子
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本を読むのが大嫌いな私にとって『成しとげる力』は、はじめて読みきった本。子どもを寝かせた後や起きる前に少しずつ、本が苦手なことをよく知っている夫の力も借りながら読み終えた。おかげで私は一つ成しとげることができ、達成感に満ち溢れている。
杉本蘭
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子育て世代の社員には「会社では人の2分の1で良い」と言ってほしい。残り2分の1の力と時間を家庭で使うことで将来2倍、4倍の結果をもたらす人材を育成できる。労働と育児との日々に時間的、体力的余裕を持てる親は、子どもを余裕を持った視点で見ることができると思うから。
池田彩
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明るい未来を築く仲間に私も入れてほしい。まず私ができることとして、「世界一のモーターメーカーを志して4人の若者が立ち上げた会社が、今、世界に知られる会社になっているんだよ」と、食卓を囲みながら子どもたちに永守様の話をしたいと思う。
中野美鈴
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読みながら自分の仕事や子育てに当てはめ、頭の中は忙しかったが、子育てをしているだけでは感じ取ることのできない学びがたくさんあって、とてもいい時間を過ごすことができた。この本がお母さんたちに読まれ、「子育ては未来づくり」と、再認識してもらえたらと思う。
菅野朋子
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お母さんたちがわが子を大切に育て、必要な力を子どもたちに備えてあげることができたら、この国はとても強くやさしい国になると思う。従業員4名から始めた会社を世界一のモーターメーカーに育てたように、子どもと母親を育てていただきたい。
脇門比呂子
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世界一の会社の経営者になられた永守さんでも、母から幼少時代に得た教えを今も大切にされていること。責任の重さを感じるとともに、今の子どもたちとの関わりが、今後の社会を、未来をつくっているんだと思うと、誇らしい気持ちになった。
薄祥子
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会社では、会社のためにできることを必死に考え行動し、成果を出すよう努める毎日。家では男子3人をどのような大人に導けるかを必死に考え行動する母である。永守様の言葉の数々は若い世代には伝わりづらいかもしれないが、大切なこと。子どもたちにも咀嚼して与え続けたい。
田端真紀
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永守さんが教育改革を行うならば、母たちは、子育て改革を行わなければ!永守さんがお母さんの背中を見て学んだことが人生訓となったことを考えれば、わが子に見せる絶対的なお母さんの背中、そしてその教えは、こんな時代だからこそ重要だと思う。
積山礼子
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経済界で働く男性と子育てが基本の女性とは別の世界との思い込みが違っていたと、大きな気づきを得た。人それぞれに能力も個性もある。それに従って「成しとげる力」を持とうとする力を養うのも、母親、父親が果たすべき大切な役割と読み取った。
山本有希
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情報社会の渦の中で、子どもに「何かしてあげなくては」という思いを持つ一方で、何もできない「母として」の自分を責めていた私。最後の言葉に強く惹かれたのは、「母としての人生」だけではなく「自分の人生」であるということを忘れていた気がしたからだ。
松本茉莉
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子育てはマニュアル通りにいかない未知の世界。子育てには知恵や思考、瞬時に考えて判断する・行動するスキルが求められる。子どもたちを社会全体で育てていくことは、未来の財産であってほしいと願うから。
井上妙子
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子育ては思い通りにいかない日々で、仕事の何十倍も大変だった。だが永守さんの視点で子育てを考えると、なんだかやっていることが無駄ではないように思え、さらにどんな方向を見据えればいいのか教えていただいたようで、一筋の光が見えたのだ。