お母さん大学は、“孤育て”をなくし、お母さんの笑顔をつなげています

『成しとげる力』感動文2

『成しとげる力』感動文


 岸千尋

永守さんへ
はじめまして。
神奈川県横須賀市に住んでいます、岸千尋と申します。

成しとげる力を読んで、もし私が永守さんの会社で働いていたら、いつも叱られているタイプだろうと思いました。

このプロジェクトを知り、2人の息子の子育て、第3子妊娠中、仕事、新居の引っ越しを11月に控え、出張で不在がちな夫をあてにできず、ほぼワンオペで毎日があっという間。本を読んで手紙を書く暇なんてない!参加出来ない。と沢山の理由を並べ回避しようとしました。きっと永守さんに「文句ばかり!やる気のないやつは!」と言われるのでは。と本を読みながら思いました。

そんな私がなぜ本を読もうと思ったのか。

私は勉強が苦手でした。高校卒業後、実践力の技術が学べる保育の学校へ行き、すぐに現場へ出たいと考え、周りが学生を謳歌する中、早く社会人になる道を選びました。この10年は、結婚、引っ越し、出産と色々ありましたが、子どもに関わる仕事を細々と続けてきました。保育・幼児教育の現場は、子どもの成長の基盤となる重要な時期。大切な命を預かる仕事です。ただ一緒に遊んで過ごすのではなく、考える力、人と過ごすためにどんなことを伝えていけばいいのか、そのための環境を整備したり、準備をしたりと膨大な時間を要しました。

永守さんが、オムロンの立石さんに、仕事で行き詰まった時に相談したが、答えは教えてくれなかった。と書いておられましたが、私も全く同じでした。勤務時間、残業、持ち帰りの仕事、給料面…時間がいくらあっても足りなかったし、仕事だけに生きていたので、疲れて現場を離れていく同僚たちも後を絶ちませんでした。このままでは、まずい。そう思った時、数名で沢山の企業の経営書を読んだり、学びに出向くことをしました。勉強が苦手で現場にこだわっていた私ももちろんその一人でした。
1番最初に実践したことは、永守さんの著書でもあった6S!ただやっていただけの仕事も、意味を理解し、方法を変えたら、先が見えたのです。

成しとげる力を読んでみよう!と思ったのは、体当たりをしていた日々を懐かしく思ったことがきっかけです。

30代になり、結婚、出産、と仕事一筋では行かなくなり、優先順位が変化しました。夢ってなんだろう。1番なんてない。何もない自分に自信が持てない。そんな自分に迷うことが増えました。冒頭に書きましたが、言い訳や出来ないことを理由にしてしまったのです。

永守さんは、仕事に行き詰まった時、相談しても答えは教えてくれなかった。と書かれていましたが、立石さんが見守ってくださったように、当時の私も上司が見守ってくれ一緒に勉強をしたのだった。と思い出しました。

そう考えれば、お母さん業界も一緒だと本を読んでいて気づきました。悩んだ時、迷った時は、親身に話を聞いてもらい、情報を集め、最終的には自らが選択し行動をするのだと。

今年小学生になった息子も新しい環境の中で、沢山の経験を積んでいます。今が苦しくても逃げずに立ち向かっていけばいいことがある。失敗することよりもチャレンジしないことの方が問題。と本に書かれていたことに、そうだ!と感じ、今はあの手この手で息子と向き合っています。
母としてついつい手を出してしまいがち。最終的には、息子を信じるしかないのです。1つずつ乗り越えていく事を大切に。母として見守り、一緒に泣いたり笑ったりして行きます。できない理由を探して逃げずに私も挑戦癖をつけます。笑顔でいること。元気でいること。ご飯をおいしいといっぱい食べること。温かな環境を家族に作ることが私の使命なんだろうなと思いました。

私は、迷うこともあるので、まだまだ成しとげるために進化中。忙しくて、そんな暇なんかない!と思っていた私ですが、著書を読んで今の自分の想いをまとめられ、スッキリしています。

岸千尋


 木綿萌

永守 重信 様

はじめまして。大阪府在住の木綿萌と申します。5歳と3歳の子のお母さんです。
この度「成しとげる力」を拝読し、感想をお伝えしたく、お手紙を差し上げた次第です。

著書の中には、永守様のお母様からの教えがたくさん書かれていました。
その教えはいつ聞いたのか、食卓を囲んで何気ない会話の時なのか、それとも特別な時に「母の教え」として聞いたのか。また、食べることが大好きな永守様の思い出の味は何だろうか、とそんなことを想像しながら読んでいました。

私も母として子どもたちに伝えたいことがあります。それは、最後まで自分の傍にいるのは自分だということです。子どもには、どこにいてもどんな環境でも自分を楽しませることができる人であって欲しいと思っています。そして自分の意思を大切にして欲しいと思っています。その点で「自燃型」という言葉が印象に残りました。
私自身は著書を期に自燃型でありたいと意識を変え、行動を変えているところです。
一方で、幼い子どもたちはたくさんのマッチを持っています。そのマッチを取り上げたり、水をかけたりしていないかと、自問自答しております。

永守様が教育に投資されるように、私は母として子どもという未来を育てている自負があります。ですが迷いがでることがあります。なぜなら私の仕事には賃金という目に見えた対価が発生しないからです。
今を生きるための仕事(わが家の場合は、夫)と未来を作るための仕事(私)。どちらも大切なのは分かっていますが、お金重視の世の中において、ふと自分がしていることが正しいのか不安になる時があります。

永守様が売上高100兆円を目指される今、人材育成の費用対効果はどう計算されるのか、ぜひお聞きしたいです。
お忙しい中、最後までお読みいただきありがとうございました。

木綿 萌


 清水彩子

永守重信樣

はじめまして。

横浜で仕事と育事に日々奮闘しております清水と申します。お母さん大学生として「成しとげる力」を読ませていただき、お手紙を書かせていただきました。拙い文章ではありますが、感じた事を書かせていただこうと思います。最後までお付き合い下さると嬉しいです。

本を最後まで読んで率直に感じたのは、「2人の息子達に読ませたい」と思いました。
私は真面目な性格なので、自分に興味のもった事はとことん調べたりしています。自己啓発本や育児本はどれだけ読んだかわかりません。
以前から息子達には、学歴ではなく、社会で生き抜く力を持ってほしいと願っていました。永守様の本にも出てきましたが、高学歴でも仕事が続かず、社会に馴染めず引きこもる人を見てきたからです。

何をもって子育ての成功とするかはわかりませんが、私は社会に出てきちんと働く人を育てる事だと思っています。人生は自分の思い通りにならない事の方が多いと 思います。そんな時に、苦しみを乗り越える力、 自分を信じる力、一つの事をやりきる力がないと押しつぶされて負けてしまう、人としての成長がないと感じています。
息子達が負けそうになった時、「成しとげる力」を読んでレベルアップしてほしいと思いました。

特に息子に読んでほしいところは2つ。 1つ目は本の中で特に共感した
"IQではなく生きていく力EQが大切という事です。
私の子供の時にそっくりなのですが、長男は不器用で、人一倍努力が必要な子です。ちょっとかわいそうなのが、友達に勉強が出来る子が近くにいて劣等感を感じ、自分に自信が持てなくなっている事です。
EQの説明の際、〝どんなに苦しくても己を励まし、情熱・熱意、執念で困難に立ち向かう能力 ・きたえればきたえるほど伸ばせる〟という文章を読んだ時、生まれ持った才能で決まるわけではないEQを伸ばしていった時に、我が子にはどんなに素晴らしい未来が待っているのだろうとウキウキしました。

息子に読んでほしい2つ目は、すぐに実践してほしい、明るい言葉を使えば、明るい未来が見えてくるという事です。10歳から子育ては難しくなるとよく言われていますが、プチ反抗期を迎えネガティブ発言が増えてきました。自分で自分の可能性をせばめてしまっているのを見ていると、言葉の持つ力は本当に強いと思うので、 ポジティブな言葉で自分を高めていってほしいです。

最後に、本を読んでいて強く感じた事は、お母様の事が大好きだったのだなあという事です。大成功されている永守様の自伝とも言える本の中に、お母様の教えが基礎になって身体の中に染み渡っているのが滲み出ておりました。

10才と6才の息子達に私が口うるさく、耳にタコができるくらい訴えつづけたら、その子の人生を変える事が出来るかもと思ったら、不安だった子育てに対してもワクワクしてきます。

まずは「成しとげる力」を実践し、私が背中を見せる事で、2人の息子達を社会に出て働く人材に育てていきます。夢がないという子供達に、人生ってこんなに楽しいんだよと伝えられるように、夢(目標)を見つけ前進していけるように、子供と一緒に一日一日を大切に過ごしていこうと思います。

清水彩子


 田村由佳利

永守様

はじめまして。私は田村由佳利と申します。静岡市で小学生の娘二人の母をしています。
今回、お母さん大学の企画に参加したものの、実を言うと、本を読むのがあまり好きではなく、「成しとげる力」も、本のタイトルとは逆で期限内で読み遂げることができませんでした。本を読んで、感想レターを書く。最初は「そんなことできない」と思っていたのですが、第1章の・・・「できない」と思うより先に「できる」と百回となえよ・・・ここを読んで、この手紙を書いている次第です。

「成しとげる力」は半分くらいまで読みました。
プロローグにあった・・・学業のほうはいまひとつでも、何か一つのことに打ち込んできた者や、ほかの人がやらないことに挑戦する気概をもった“とんがり人間”のほうが、仕事の場面では頭角を現すことが多いのだ・・・という部分。私自身、学業はいまひとつだったので、自分の得意なこと・好きなことで、なにかできたら…と思っています。これは、学校嫌いな長女にも伝えたい言葉だなと思いました。

そして、第3章の・・・叱ったぶんだけの「心のケア」が必要・・・という部分は、子育てをする上で大事なことであり、それは会社でも必要なのだと知りました。子育てにおいて、心のケアが足りていないからこそ、ひねくれてしまったり、親子関係が崩れてしまったり、更には虐待につながってしまうのではないかと思います。なかなか職場で、心のケアまではできていませんでしたが、職場の人たちにも、娘たちと同じように心のケアをしていこうと思いました。

きっと私以外のお母さん大学生も同じところに目が留まっていると思いますが、600人になるまで手紙を書き続けたことは、スゴイと思いました。今の時代、メールのやり取りはあっても、手紙のやり取りは少なく、手紙だからこそ伝わることがあると思い、娘たちに手紙代わりの「新聞」を残しています。今の娘たちにはなんてことのないただの紙でも、娘たちが大人になって読んだとき、母になって読んだときに、なにか感じてくれることを願って、新聞を書いています。

私に足りていない部分、改善点がこの本を読んで見えてきました。お母さん業界新聞に足りないところ、娘たちに伝えたい言葉もたくさんありました。残りの4章・5章・エピローグものんびり読み進めていきます。すてきな本を書いてくださり、ありがとうございました。

お母さん大学生
田村由佳利


 藤尾さおり

謹啓

突然のお手紙失礼いたします。神戸市在住の助産師、藤尾さおりと申します。三人の子の母であり、地域で助産師や看護師の仕事をしながら、NPO法人そらしどという、障がい児家族と支援者を応援する活動をしている団体の代表理事をしております。失礼を承知で申し上げますと、世間知らずも甚だしくお恥ずかしながら、永守様のことを全く存じ上げませんでした。

しかし、今回「成しとげる力」を拝読し、大変感銘を受け、二点御礼を述べさせていただきたいのと、一つお願いを直接お伝えしたく、ペンをとった次第です。

これまでの歴史と数々のエピソード、その「先見の明」にワクワクし、ご経験からの学びを惜しみなくユーモアも交えお伝えくださっている内容に、勇気をいただき、なるほどなぁと大変勉強になりました。これでもリーダーの端くれ、リーダーとしてどうあるべきか、自分はまだまだであると反省し、今後の指針となるような言葉がたくさんありました。

特に「六悪」は肝に銘じようと思いましたし、時代を読み、人に合わせて、人を育ててこられたことは、まさに「親業」であると感じました。お母様のエピソードも多く、ご家族への感謝の言葉からもお人柄がにじみ出ていて、愛情深い方だと感じました。やはりこういったことが基本であり、大切なことだなと思いました。自分に「人の倍働いているか」「極限まで努力しているか」と問うた時に、まだまだ足りないと感じました。しかし、これからは自分の人生を悔いのないものにしていくために、努力していこうと思いました。この本を書いてくださったことに本当に感謝いたします。ありがとうございます。

二点目は、私も幼い頃父に「一番でないと意味がない」と育てられました。私は文字通り受け取ってしまい、一番にはなれない自分に意味はない、自分は価値のないダメな人間なんだと思い込んでいました。しかし今回お母様のエピソードや永守様の思いを読む中で、父もこういった思いでそう言っていたのかもしれないと、父の愛情を今さらながらに知ることができたように思え、救われた気持ちになりました。ありがとうございました。

そしてお願いは、人材育成の大切さを実感しておられる永守様だからこそ、ぜひともお母さん大学ともタッグを組んでいただきたいということです。今回、大学の理事長になられた思いを知り、大変共感いたしました。大学四年間では不十分だと中高一貫教育をと考えておられますが、さらにさかのぼり、子育てからではいかがでしょうか。

永守様がお母さまから大変影響を受けられたように、多くの人が母親の影響を大きく受けており、すべての人が間違いなく母親から誕生しています。子育ての業界に身を置く立場から、母親がもっと自分がもっている力に自信をもち、産ませてもらうのではなく、自分の力で産んだことを実感でき、便利さや効率やただ楽をすることに流されずに、悩みながら、休みながら、立ち止まりながらも、いろんな困難も含めて「子育てが楽しい」と思える世の中にしていければと考えています。

母親がまず「成しとげる力」をつけ、楽しんで子育てをしていけたら…もちろん子育ては母親だけのことではありませんし、いろんな事情がある場合もあります。しかし、母親を楽にさせようと、母親から子どもを遠ざけるような支援が多くなりすぎているのではないかと感じています。

そうではなくて、母親だけがやらされている子育てではなく、自ら選びとりたくなるような、こんな貴重な体験はないと思いながら、社会の中で支えられて、楽しんで子育てができれば、その子どもはどう育っていくでしょうか。そして、その子どもたちそれぞれが「成しとげる力」をつけていき、成長していったら、この日本はどうなっていくでしょうか。私はそんな日本がみてみたいです。そんな日本に身を置き、ここから世界へと広げていきたいです。

私もまた「夢見る夢子」で永守様の後に続いていきたいし、その指にとまらせていただきたいです。そして、ともに明るい未来を築いていきたいと思っています。
どうか、まだまだお元気で、夢を追い続けていただき、いつか実際にお会いできることを楽しみにしております。今後ともよろしくお願いいたします。季節柄どうかご自愛くださいませ。

謹白
令和四年十一月四日
神戸の「夢見る夢子」藤尾さおり

素晴らしき「夢見る夢夫」
永守重信様


 西村千晶

永守さん、と呼ばせていただいてもよろしいでしょうか。執筆してくださりありがとうございます。御社の名を、実は私は初めて知りましたが、80になる父が目を見開いて、ものすごい会社だと、人をたくさん育て、高い技術力を持ち、高い収益を上げてきた日本を代表する会社だと。教えてくれました。

最初に本を開き、目次に目を通したとき、正直、永守さんは鉄人のようなお方ではないかと思いました。でも、読み進めていくうちに、そのイメージはガラッと変わりました。

壮大な夢を持ち、仲間を鼓舞して、共に諦めずに努力し続ける永守さん。やるなら一番を目指す、永守さん。自分自身の得意で勝負する、永守さん。社員の特性に着目し、アドバイスを送る永守さん。いかにいい人間関係を築くか、人の心の機微を感じとる感性を持つ永守さん。永守さんの言葉一つ一つに、愛を感じずにはいられませんでした。これだけ、物事を追求する人は、その対象にも、自分自身にも「愛」を持てる人だと。

「愛」の反対は、「無関心」。いくら左脳に「こうしないといけない」と言い聞かせても、感情が伴わなければ行動できないものです。
豊かな「愛」が永守さんの中を流れているのだと感じました。
成しとげる力とは、理想の未来を実現するために、逆算し、そのためには今どうしたらいいか、徹底的に考えて、感じて、行動する力。また、周りへの感謝と尊敬を忘れないこと(対象への「愛」)と、自分の中に「既に在るもの」を大切に信じて、諦めずにたくさん行動し、怖いと思うような領域にチャレンジし続ける力(自分自身への「愛」)だと受け止めました。

私自身は、4歳と6歳の母親です。幼少期は特に、お母さんの愛の中で、安心感、自己肯定感が育まれます。人から愛された経験がなければ、自分自身、また周りの人、物事に「愛」を感じることはできないでしょう。私たちお母さんは、子供たちが「愛」を持って行動できるような高いEQ力を備えた人間を育むためにどんなことをしてあげたらいいのでしょうか。

まだ右脳優位な子供たちは、とても素晴らしい感性の持ち主です。そんな彼らと向き合ったときに、自分自身も感性豊かに、彼らの心の機微を察知して、言葉をかけてあげなければ、彼らの持って生まれた能力を私が潰してしまうのではないかと不安になりました。

そこで、私は、絵本について勉強しました。絵本は子供にも大人にも良いと感じています。絵本の読み聞かせを通して、子どもはお母さんの愛を感じることができます。お母さん自身も、絵本を読むことで優しい気持ちになり、心が整います。また、子供も大人も、絵本を通して、そのハッピーストーリーや、人を勇気づけたり癒したりする言葉、美しい絵、などが、潜在意識にインプットされ、毎日の行動に影響を及ぼすことを知り、また実感しています。絵本はEQ力を育てる身近なツールだと捉えています。

これからの未来を担う子供たちを育てるために、私自身もアップデートしていかなくてはならず、永守さんから「変化を恐れずチャレンジし続けなさい」という言葉に、一喝されましたし、自分自身の中に在るものに気づけ、感謝の気持ちでいっぱいです。

永守さん、ありがとうございます。陰ながら、応援しています。

西村千晶


 戸﨑朋子

永守 重信 様

今回ご縁があり、「成しとげる力」を拝読させていただきました。
ビジネス書に、「母」という言葉が何度も出て来るよ、と教えてもらい、永守さんの著書に出会いました。
戸﨑朋子と申します。
私は、小学生の娘が2人いる一母親です。

「人の倍働く」という言葉を読んで、私も前職では未経験の仕事を始めたので、100%の力を出してできなかったら200%の力を出そうという気概でやっていたことを思い出しました。

ただ「一番以外はビリと同じ」という言い方には、しんどさを感じました。

ずっと張り詰めた感じがしました。 私は企画営業をしていた時、予算の1億を達成したら、次は2億やれと言われ、キリのない欲求に疲れてしまったこともあります。自分も成長したいと思ってやる方ですが、自分自身に疲れてしまったこともありました。

人間は、体調や心身などバランスをくずすこともあります。ずっと緊張感は続かないと思います。

数年前に、noteというブログで、「君は仕事はしているかもしれない。でも生活をしていない。」という言葉に出会ったことがあります。
(はし かよこ さんという方の「生活をサボるな。とインド人に叱られて二年経ってから分かったこと」というブログ記事です。当時話題になりました。機会があればご覧ください。)
その言葉がまさに独身時代の私の働き方と似ていて、生活をしていないことを自覚しました。

最近出会った言葉に、「天爵を修めて人爵これに従う」という孟子の言葉があります。天爵は自らに備わったもの、人爵とは他人から受け取るもの・地位という意味だそうです。天爵を生かそうと励めば、おのずと人爵もついてくるということかと思っています。永守さんはかなりの業績を残されていて、今なおご活躍されているかと思います。それはご自身が興味のあることに没頭していたら、一番になったということかと思います。

ただ一番になることを目指すことだけとなると、一番だと形だけにこだわったり、一番になったら自分が人より上だと勘違いする人もいます。そういう人を多く見かけます。

「何でもいいから、自分が一番になれることを見つける」という考えには共感できます。 幼児か小学生くらいの子どもの教育で、西欧のリーダーシップに関する動画を見たことがあります。そこでは、「私は○○のリーダー」「ぼくは○○のリーダー」と子どもが言っていて、それぞれが得意な分野でのリーダーと言っていました。日本の学校でありがちな、勉強や運動ができる子が一番という考えとは違うなと感じました。

現在小6になる長女が生後6か月の時に、大学時代のアメリカ人の友だちが7歳の子を連れて、うちに来たことがありました。今は赤ちゃんがいるから、大学時代のように夜遅くまでおしゃべりできないけどと断りを入れました。寝るのが早いからというつもりでしたが、7歳のその子の方が、8時半と寝る時間がうちの赤ちゃんより早いくらいでした。それは両親が共に夕方の4時半には帰宅できるという環境もあったそうです。アメリカでもどのくらいの家庭がそういう状況かは分かりませんが、睡眠時間の国際比較では、日本は大人も子どもも世界でも最低レベルと言われています。睡眠が十分取れて、生活リズムが整っている子は機嫌がいいです。それは大人も同じで、良いパフォーマンスができると思うのです。データでなく、実際の他の文化圏の生活を目の当たりにして、こういうことが小さい事のように見えるけど底力になるような気がしました。

この点では、著書でも働く時間は年々と減らしていると書かれていました。人間には、時間と心の余裕が必要だと思います。子どもが生まれてからはより、それを感じます。

違和感を感じる部分もあるものの、読書を通じてエッセンスを得るべく心に残る言葉はメモしました。

・意識の差はときに百倍もの差を生み出す
・あとから来る急行より、先に出る普通電車に飛び乗れ
・不可能になるのは、自分で不可能と決めつけるからである
・箸よく盤水を回す
・大きな問題も千切りにすれば必ずできる

他にもありますが、こういった言葉を聞くと、自分にはまだまだできることがある!と思いました。山頂が遙か高くに見える時、これらの言葉を心に留めたいと思います。

戸﨑朋子
追伸:ふだん子育ての新聞を作っています。
良かったら、見てください。VUCAの時代の話のことも著書にあり、私も思う所を書いていたことがあったので添えさせていただきました。


 植地宏美

永守重信 様

拝啓 菊の花の香り高い季節となりました。初めてお手紙を書かせていただきます。永守様とは面識もございませんのに、拝読した貴方様の著書、「成しとげる力」に大変共感し、心を動かされましたので、ペンを執った次第です。

ちょうど20年前に長女を出産した後は、途中さらに2人の息子を加えつつ、子育てが全ての人生となりました。私は人生の折り返しの年代に差し掛かりましたが、自分以上に大切だと思える存在がこの世にあることの幸せを知ることができ、もったいないくらいの人生だなと思っております。

永守様は、生きてきた経験と思いを綴り、出版という形で表現されているのですね。もしかしたらこれから事を興そうとする方に対して伝えたいことであるのかもしれませんが、母という立場で読んでしまった私たちのせいで、図々しくも、さらに永守様の思いがさらに広く伝わるきっかけになるのではないかなと感じました。なぜならば、これはビジネス書でありますが、母という存在の大きさが、じわりと滲み出てくる書でもあるからです。

1箇所ページの耳を折った場所があります。第3章の最後。”明日という日は「明るい日」と書く。今日よりも明日はもっと明るい日になる。そういえる人こそ、リーダーに適している人である。そのためには、自分が夢を信じなければならない。明るい未来を描いていなければならないのだ。“

実は10年前、突然に夫が不慮の事故で命をなくしました。心がどうにかなってしまうと思いました。うまく笑えなくなった時期もありました。周りの全てがうらやましく、何より自分の子どもたちを父親のない哀れな子どもたちにしてしまったと、思いました。たくさんの方に支えてもらいましたが、抜け出すには自分自身の覚悟が必要でした。「明けない夜はない」、「止まない雨はない」、「NO RAIN NO RAINBOW」、前に進むために永守様のおっしゃることと同じことを思ってまいりました。しかしながら今思えば、家族の中で、私がリーダーだったのではなく、それともそう思わせてくれる、子どもたちがリーダーだったなと感じます。彼らが私の毎日に存在してくれて、屈託のない笑顔をみせてくれたおかげです。

永守様は、ご自身の哲学が全て母の教えであると書いておられます。母親の立場から言いますと、逆も然り、かもしれません。わが子から学ぶことが全て自分自身の人生になっているのです。母と子の関係こそが人をつくることなのだと、「成しとげる力」は教えてくれました。永守様のお母様が強く言い続けた言葉たち。それはわが子の力を信じているからこそ、言えるものだろうと思います。わが子により良い人生を送ってほしい、そう思うのであれば、わが子を信じきることだと感じました。

今、母と子の関係は少し崩れているように思えます。あくまで利をもとめる世の中に、子どもの笑顔が置き去りになっているように思えます。「問題は必ず解決策を持ってくる」と永守様のおっしゃることに納得します。しかしながら、本当の解決策に気付きながらも、見て見ぬふりをする社会があることも事実です。経済なき道徳は戯言であり、道徳なき経済は犯罪である、と、二宮尊徳の教えを読んだことがあります。母親が心から子育てに悩み、楽しむことこそが、子どもたちの可能性を最大限に生かす術であると思います。子育てという一大事業を理念ある利益にしていくために、永守様の「成しとげる力」の中の言葉たちを、私の胸の中にいつもお守りのように持っていたいと思います。

敬具

植地宏美