お母さん大学は、“孤育て”をなくし、お母さんの笑顔をつなげています

お母さんの心強い味方「産後ママのメンタルケアブック」誕生!!

お母さん業界新聞ちっご版2018年1月号
ちっごのひとびと第32回 編集長レポート

お母さんの心強い味方

診療内科「広田クリニック」(久留米市)×訪問看護ステーション「心の花~このは~」(筑後市)

「産後ママのためのメンタルケアブック誕生!!」

近年、産後うつの悩みを抱える人が急増。「出産後、一人で不安を抱えているお母さんたちに寄り添いたい、少しでも力になりたい」と、『産後ママのメンタルケアブック』をつくった、広田クリニック院長・広田進先生と心の花看護部長・高山優子さんに話を聞きました。

(マザージャーナリスト・池田彩)

Q.普段のお仕事を教えてください。

広田先生 

父の代から受け継ぎ心療内科をしております。

こころの不調にお悩みの方に気軽に相談してもらえる場所「こころの相談所」を目指して診察をしています。

産後うつで悩んでいるお母さんたちも一週間に一人くらいの割合でお見えになりますよ。

高山さん

こころのケアを主に行っている訪問看護ステーションです。

安心してその人らしい生活を送ることができるように。

クリニックや病院からのご依頼を受け、カウンセリングや身の回りのサポートをしています。

子育て中の女性スタッフも多いので、育児についても気軽に相談していただけたらと思います。

 

Q.なぜケアブックを作ったのですか?

広田先生 

最近、産後うつで受診される方が増えています。

しかし妊娠期や産後はどうしても、お薬を服用に抵抗があるケースも多いのです。

ケアブックを読むことで、少しでも自分自身の状態を客観的に知り、

一人で悩まずに、カウンセリングや訪問看護などを利用してもらえたらいいなと思い、このテキストの作成に至りました。

クリニックに足を運んでくださる方はいいのですが、

妊娠期や産後はどうしても外出が以前より難しくなり、すべてのお母さんをサポートするのは難しい現状です。

このテキストが少しでも産後のサポートの一つになればと思っています。

 

高山さん  

これまで、たくさんの方々の訪問看護に携わらせていただききましたが、

最近は、産後うつのお母さんが多いという印象が私の中にもあったんです。

「一人で全部背負わなくていい。完璧に頑張り過ぎないで。お母さんのせいではありません」

そんな声かけを幾度となくしてきましたが、真面目で頑張り屋さんほど自分で完結しようとします。

そんなお母さん達に、簡潔でわかりやすく、専門の医学的なアドバイスも組み込めたテキストがあればいいなという思いもあり、

広田先生と協議を重ね、テキストの作成に至りました。

身近な専門医のアドバイスや、先輩お母さんたちの声があるだけでも、安心するお母さんたちがたくさんいらっしゃると思います。

 

Q.どんな人に読んでもらいたいですか?

広田先生

お母さんだけではなく、お父さんにも読んでもらいたいですね。

お母さんの力になりたい、子育てを一緒にしたいと思っても、どうしていいのか分からない方もたくさんいらっしゃいます。

お母さんのこころの状態がどうなのか、どのような体の変化があるのか、

どうサポートしたらいいのかなど、お父さんの関わり方の参考にしてもらえたらうれしいです。

高山さん  

どのように子育てしたらいいのか、不安で仕方がない。

周りに頼る人もいなくて、孤独感を抱えながら子育てに奮闘している方々に読んでもらえたらいいなと思います。

産後の体の変化や、先輩お母さんのリアルな声も掲載しています。

がんばっているお母さんたちの手助けになれれば幸いです。

 

Q.読者へのメッセージをお願いいたします。

高山さん  

私も3児の母ですから、お母さんたちの気持ちがよくわかります。

産後は体の変化だけでなく、生活環境も目まぐるしく変化していきます。

子どもはかわいいけれど、思った以上に子育ては大変で、気持ちの余裕がなくなってしまうのは当然のこと。

心の花には看護師や作業療法士など専門スタッフが在籍しています。

子育て経験のある女性スタッフも多く、手抜きのコツなど具体的なアドバイスやサポートができるので、お気軽にお問合せ下さい。

訪問看護料金が気になるところかと思いますが、「自立支援医療制度」があるので、

医療保険の1割負担でご利用できます。ご家族が笑顔で生活できるよう長いスパンでお付き合いさせていただければと思います。

広田先生

私も最近、お父さんになることができました。

早く家に帰って子育てに関わりたいのですが、仕事や学会などでままならないことも多々あります。

同じように、気持ちはあっても実際問題難しいお父さんもたくさんいらっしゃると思います。

ケアブックを通して、お母さんだけではなく、お父さん、ご家族の手助けに少しでもなれたらと思っています。

広田クリニック
院長・広田進先生
福岡県久留米市天神町45-2
TEL:0942-37-2595

 

訪問看護ステーション心の花~このは~
看護部長・高山優子さん
〒833-0031 福岡県筑後市山の井320-1
TEL:0942-53-1172
FAX:0942-53-1173

この記事はお母さん業界新聞ちっご版2018年1月号2面に掲載しております。

 

 

1件のコメント

とても素敵な冊子ですね!
私も第一子の時、産後うつになりましたが、
産院の先生や助産師さんが親身になって下さり、メンタルクリニックや保健所へ連携してくださったおかげで救われました。
でも、なかなかそうもいかず、
表面では「大丈夫」といいながら1人で抱え込むお母さんも多いと思います。
そういったお母さんが、1人でも多く救われますように。

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ABOUT US
池田彩お母さん大学福岡支局長
お母さん大学福岡(ちっご)支局長/元お母さん業界新聞ちっご版編集長。長女が1歳の頃にお母さん大学に出会いマザージャーナリストに。ペンを持ったことで視点が変化し、「お母さんになれてよかった!」と心から感じる。久留米で活動をスタートして13年。現在は、久留米市合川町の「松葉荘」で居場所づくりをしながら、九州中のお母さんにお母さん業界新聞を届けようと奮闘中。3児(中3、小6、小2)の母/MJプロ/みそまるマスター/みそソムリエ