誰でも生きていくのは自分の生い立ちを抜きにはありえません。それをめぐって人間社会はダイナミックに動いていくのだと知ります。理想と現実の狭間で、自分の落としどころを探しながらの自立を目指すということを。
子どもを授かるのは相手あってこそであり、その段階から人の思いはさまざまです。相手を自分の思い通りにできるのではないかという幻想を求めてしまう若さもそこには含まれます。それは愛という名のもとにおける幻想です。
自分勝手な思いを愛と思い込む人もそうでない人も錯綜していく人間社会の中で、選んだ相手は自分の責任というところからの出発。それは自立ということへの出発だということにつながるからです。
子どもを授かると自分の過去に向き合い、親との関係を見つめていく作業だと気づく人は幸い。真の自立とは何かに向き合うことだからです。
幸福感を問われる時代になったからこその真の自立意識に目を向けられるようになったことを感じています。 結論をいえば、子育ては、自分のため、自分の真の自立のためであったということでしょうか。
(池田美智子)
(お母さん業界新聞1712/特集 卒母)
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