ボクは微生物だよ! 今回は、自然界でのボクたち土壌微生物の役割をお話するね。
ボクは、菜園の土の中で、土壌微生物という多種多様な仲間たちと住んでいるんだ。そこでは化学肥料や殺虫殺菌剤を使わず、堆肥や有機肥料を使った有機無農薬の有機栽培をしてるんだ!
有機質の豊かな畑には、ボクたち微生物がたくさん! 土壌1グラムに、なんと1億匹もいるんだよ。これは、日本の人口1億2000万人とほぼ同じ数なんだ。スゴイだろう!
ボクたち土壌微生物は、生物遺体を分解し、自然界における物質循環に重要な役割を果たしているんだよ。
具体的には、森林や畑などの地表や地中で、枯れ草や落葉、落ち枝などの植物をはじめ、昆虫や動物などの有機物を分解しているんだ。
炭酸ガスや水、栄養分のアンモニアや窒素をつくりだし、 植物の生長を促したり、養分を蓄積して、土壌の物理的改善をはかったり。葉っぱや果実、根っこなど、野菜や植物を育てる働きをしているんだよ。
もしも、ボクたち微生物がいなくなると、植物や昆虫などの分解ができなくなり、栄養分の生産ができなくなってしまう。そう。自然界の物質循環が停止すれば、野菜や植物は枯れ、それを食べて生きている生物は死に絶え、地球上の生物は全滅してしまうんだ! もちろん人間も死んでしまうのだから、怖い話だね!
ねっ、微生物の働きってスゴイだろう!
家庭廃棄物・リサイクルの物質循環と合わせて、自然界の物質循環も考えると、ボクたち微生物を大切にしなければならないことがよくわかるだろう。
(1709月号より)
有機菜園プランナー・濱田武人(Taketo Hamada)
スーパーゼネコンの土木技術者として国内外で建設工事に従事した経験を生かし、「次世代につなぐ豊かな環境」をテーマに濱田技術士事務所を開設。自然環境保全問題に取り組むべく、建設・環境コンサルタントエンジニア、有機菜園プランナーとして活躍。菜園や庭園の設計施工の傍ら、100%有機土壌の家庭菜園づくりを通し、食と健康、生活の美の創出を提案中。にんじんCLUB「ど根性菜園」総合プロデューサー。バラ邸作家としても著名。
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