私は東北の田舎で生まれ育ったので、近所はみんな顔見知り。
会えば挨拶をしたり、天気のお話をしたりするのが日常だった。
横浜に住んでからもその体質が抜けず、バス停などで隣になった人と普通に会話をしてしまう。
それを見ている娘は「ママ、恥ずかしいからやめて」と言う。「相手の方が嫌がっているよ」と。
そうかなぁ。
お母さん業界新聞は基本的に手配りだ。
近所のママ友に渡したり、仕事先のお母さんたちに渡したり、
時には道行く見知らぬお母さんに声をかけることもある。
そこからちょっとした悩みを話してくれるなど立派なコミュニケーションになる。
先日、お子さん連れのお母さんに声をかけたら、快く受け取ってくれた。
そして、「今日、区の健康診断に行ったのですが、その時もらったチラシの中にこの新聞、入れてくれたらいいですね」。と話してくれた。
思いがけない言葉でとても嬉しかった。
しかもこのやり取りを聞いていた高齢の女性が、「この辺り久しぶりに来たけどずいぶん変わったのよ…」と、話しかけてきた。
もう二度と会えない方たちかもしれない。でも温かい時間だった。
この空間の延長が地域のつながりになっていくと信じ、今日も元気に挨拶をしようと思う。
タウンニュース神奈川区版/金沢区・磯子区版 2020年10月掲載記事
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